雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺のエッセイ「猫爺はアボリジニ系?」

2016-03-11 | エッセイ
 酒に強い、弱い、または飲めないなどのタイプは、遺伝子によるものであることは、現在では多くの人々に知られるところである。
 酒(エチルアルコール)を摂取することにより、アセトアルデヒドという有害な物質を生じる。酒に強いタイプの人はこれを分解して無害な酢酸に代える酵素を肝臓内に持っている。酒に弱い、もしくは全く飲めないタイプは、この酵素の働きが弱いか、全く無いのだそうである。
 猫爺は、この全くないタイプで、注射を打つとき腕を消毒用アルコールを染み込ませた脱脂綿で拭いただけで赤く腫れたようになる。これは、アボリジニかモンゴロイド系の人間に多いらしい。
 これに対して、酒に強いタイプは、コーカソイド(白人)系か、ネグロイド(黒人)系だそうである。

 猫爺の若い頃は、この知識を持たない人が多く、「男の癖に酒が飲めないなんて‥」「意気地がない」「だらしない」と、言葉での虐めに遭ったものだ。おまけに、「訓練して下戸を克服しろ」とまで言われたこともあった。これを現代の知識では「訓練などによって克服することは絶対に不可能である」と言われている。猫爺も、訓練すれば克服出来るものと信じ、目を回したことが幾度となくあった。
 医師たちの宴会に於いても、全く飲めない若い医師に「一気飲み」を強要して、その若い医師を死に至らしめた痛ましい事件もあった。
 現代では、このようなことは先ずはないと思うが、偏見を持った人間はいつの世にも必ず居るものだ。

 偏見と言えば、性同一性障害の人に対する無理解も非常に多い。これをその人の趣味だとか、「こんな風に育てた覚えはない」と、我が子を非難する親さえも居る。これは、環境ホルモンの悪影響で障害を持って生まれて来た子供に、親が「こんな子供に産んだ覚えはない」と、我が子を非難しているようなもので、的外れというものだ。