「安部公房全集015 1961.01-1962.03」 新潮社1998
また座談会が多いなぁ。
でも、見慣れた名前が出てくると少し気楽に読める。手塚治虫/星新一/福島正実
ああ、そうだよね、東京オリンピックの前なんだよな。この時期。
安保も語られるけど、まだ本格的な闘争にはなってない?ってか、国内のテロを心配しているんだな。半世紀後には同じ安保でも海外からのテロを心配する時代になるんだけどな。それにしても安保闘争って1960年だったのね。この歳まで東大闘争をイメージしていたわ。
宇宙開発はどうだろうね、なぜ2015年になってもまだ月にアパートができていないんだろう。宇宙飛行士はなぜ火星に到着してないのだ!!!
三島由紀夫が近頃のテレビ番組、特に日本人を自分で褒めるようなものを見たらなんというだろう。
安部公房「進んだ資本主義国の民主化のむずかしさが、世界的に未解決なんだということ」50年経っても未解決のままですよー!
関係ないけど、「竹内」って目の端で見ると「NHK」って読める。縦書きでも横書きでも。
座談会「恐怖について」
岡本太郎「自衛隊が昔のような狂信的なものになることはないと思う。もっとも世界中で汚い、だらしない軍隊になると思うのだな。日本軍はさ」
ラジオドラマ「大事業」
資源の最適な有効利用~改良ネズミ養殖→死者の肉体~
資源不足で時代と倫理の変化があれば、いつ始まってもおかしくないし、それが始まるとすれば作品の中の(倫理)犯罪的個人業ではなく国家プロジェクトだろうな。
小説「無関係な死」
部屋に帰ったら死体があった。
警察と係わりになるのが面倒なんだな。信用していないから。で、どんどん一人で勝手にドツボにはまっていく。うまく笑えないわ、いらいらする!大友克洋の漫画だったら、笑って済ませられるのに!小説だからなのか、読む方の私が悪いのか。
自己都合による仮定の事実化・・・現実逃避だけど、まるで政治家の国会答弁に見えてくる。
エッセイ「花ぎらい」
安部公房は花よりも砂の方が落ち着くらしい。これまでのエッセイにもよく砂が語られていたね。
ラジオドラマ「人命救助法」
人命救助で表彰を受けて事業を立て直すぞ!まわりを騙して!で、それが原因で死んでしまったかと思ったら生きていたのに、姿を見せたら殺されちゃった。
考えなきゃいけませんか?面倒くさいわ。たるいわ!安部公房はこういう作品のために解説を残さなきゃダメだわ。まあ、解説を読んでもこんなのは面白くはないと思うけど。
座談会「ヘミングウェイ他殺説」
安部公房作「不良少年」(「松川事件」シナリオ)映画化されなかった理由~「弟が愚連隊じゃ困る」
ラジオドラマ「空中の塔」(小説「空中楼閣」のラジオドラマ化)
連絡先も住所もない求人広告ビラ~根拠もなく探し続ける~勝手に約束と思い込む~
「空中楼閣」だけに存在しない夢?まあ、現代なら軌道エレベーターくらいになるんだろうけど、作品的には「本当の自分」を探し続ける半端者の理屈ってところだろうか。そのまま言っていることを読むと頭のおかしいやつで終わりだ。他の登場人物もどうやら同様。
その夢は理想とした社会主義のことだろうか。(その後の日共除名のタイミングを考えても)
ラジオドラマ「時間しゅうぜんします」
航時機(タイムマシン)を発明した将来の自分が、今の自分の生活態度に注文を付けてきた。それによって未来が変わった?あるはずの連絡がない。
何度でもやり直せば『理想的な社会』ができる?自分にとってはね。でも、死までは避けられないんだよ。たぶん。
シナリオ「おとし穴」(テレビドラマ『煉獄』映画化)
で、結局Xって何者よ。ゴルゴ13の同業者?ってか、まあ、だれが最終的に得をしているか・・・ですかね。
そろそろ『砂の女』ですかね。
って言うか、安部公房さん売れっ子ですね。