おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

カスミ

2009-05-20 08:46:00 | Weblog
今朝は酔っ払って始発のロマンスカーで帰って来た

カスミと近所のショットバーでキツいお酒を飲んだのだ


カスミは11時過ぎに店に来た

しきりに携帯を気にしている

どうやら誰かからの電話を待っているようだ

しばらくして派手な着メロが暇な店に鳴り響いた

最初はニコニコしながら話をしていたが

途中で私に携帯を寄越した

「行けないって言って…」

カスミが私に合図する

「もしもし、お電話変わりました

 私は、今彼女が飲みに来ている店のスタッフですけど

 カスミちゃん、どうやら酔っ払って

 そちらに伺えないそうです…」

間があって「そうですか」とボソリ

電話の向こうから冷静な男性の声がした

「ごめんなさい、改めて電話するそうなので…」

と言って電話を切った


相手は誰なの?としつこく聞くと

今ハマっている歌舞伎町のホストだと打ち明けた

歳は38で、その店には8年在籍していると言う

深い中になってるらしく、

それを本当の愛と彼女は受け止めているようである

傍で聞いていて、まんまと彼の術中にはまってるんだと思った


さっきの電話を切ってから、カスミの携帯にはメールが届いている

「ねえ、例のホスト?」

メールの内容を私に見せる

命令口調で店に来て欲しい旨を綴っている

そして、さっき私が出た事に関しても

怒っているようだ

もしかしたら〆日が近くて

売り上げを何とか伸ばしたいので焦っているのだろうか

こんなご時世だからホストだって食って行くのは大変だろう

増してや38歳となればかなり不利なのでは…


「アンタ彼のところへ行きたいんでしょう?」

素直に首を縦に振るカスミ

でも今日はあまり持ち合わせがない様だし

タクシーを飛ばせばそれだけで8千円くらいはかかる

「今度お金がある時にした方が良いんじゃないの?」

飲みだすとハシゴしてでもとことん飲みたい彼女

増してやハマっているホストからメールが次々送られて来る


とうとう我慢できずに彼に電話をかけるカスミ

相手は接客しながら携帯に出ているらしい

普通、お客様のお相手中に長電話などもっての外だろう

「ねえ、今日お金がないの、それでも飲ませてくれる?」

自分の事を単なる金づると思っているのか確かめたいようだ

電波状態が悪いのか、相手の店がザワついているのか

話し声がまともに聞こえないらしい

「金を下ろしてでも来い」と言うのだけは聞こえるようだ

電話を切ってから彼女に

「日を改めて行った方が良いんじゃないの?

 今あるお金じゃとても足りないでしょう」

では代わりに何処か付き合えと言う

男の居る所じゃなきゃイヤだとも…

近所のショットバーが思いついた

あそこならスタッフの男の子が上手く相手してくれるだろう


ショットバーではノリの良い男性スタッフが気に入った様で

カスミも上機嫌だ

私は一杯目に飲んだ濃い目のウォッカベースのカクテルで

気分が悪くなった

めまいもしてきた

カスミは益々元気で、閉店時間が近付いてるこの店で

スタッフにしつこく一気を強要している

ホストよりもこっちの方が楽しいでしょ?

ノッてる彼女を置いて先に帰る

始発のロマンスカーを目指して急いだ

























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