おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

魅惑の土曜日

2011-05-02 14:27:15 | Weblog
昨夜は久々のめまいと風邪のせいで一日中寝ていた

めまいは此処のところ沈静化していたのだが

一昨日辺りの営業中から症状が出始めていた

慣れって怖いもので

数年前なら2~3日は仕事を休んで

寝ていなければならなかったのだが

最近は具合が悪くても仕事をしていれば

いつの間にか治っている事が多かったのだ

今回もそのパターンだろうと軽く考えていた

ところが先週から風邪をひいて

イマイチ調子が悪かったところへめまいも重なり

土曜日の仕事終わりにはフラフラだった

帰りの電車内でも具合が悪くて

久々に千駄ヶ谷まで乗り過ごしてしまった

この駅はホームを移動しなくても

左右に上りと下りが停車するので

しばらくベンチに腰掛けて待っていた

気温はあまり低くはないが風が強く

ボーッとしてホームの看板などを眺めていた

昔はよくこの駅を利用していた

国立競技場のトレーニングジムに通う為だ

懐かしさに浸っていると電車がホームに滑り込んだ


土曜日の営業は連休に入った事もあってか

比較的静かだったが

懐かしいお客様や

心ときめかすイケメンまで

具合の悪さを吹き飛ばすラインナップだった

早い時間に近所の鉄板焼き屋のマスターから連絡があり

吉祥寺のスティングのシノブママが来ているとの事

電話を代わって貰うと

なんとナオヤちゃんも一緒だと言う

彼は仕事の関係で新潟に行っている筈だが

連休を利用して東京に戻って来たのだろう

確か以前ミッちゃんに呼んで頂いてスティングに伺った時は

私たちが帰るのと入れ違いにナオヤちゃんが来店

路上でルナ子から熱いキスの歓迎を受けていた

後ろ髪を引かれる思いでタクシーに乗ったのを覚えている

それ以来だったのでホント喜びもひとしお

シノブママにもナオヤちゃんにも大感謝


鉄板焼き屋から当店に場所を移して

ナオヤちゃんとツーショットの写メを撮ったり

彼の福山クンのナンバーを聴いたりと

何だかコチラが接待を受けてる様な気分だった

シノブママもとても気を遣ってくれて

私をナオヤちゃんの横に行く様に勧めてくれたのだった

その内ヒデミの丸出しショータイムが始まり

何気に彼女もナオヤちゃんにアピッっていた

そう言えばヒデミがさっきまで接客していた

久々ご来店のモリちゃんは何故か爆睡している

せっかく品川美容外科で大昔に100万かけたオッパイも

モリちゃんの前では何の意味も持たなかった様だ


シノブママとナオヤちゃんを見送った後

ボーイのトシがコンビニのバイトを終えてから出勤

先程まで3組のお客様が居たのだが

既にお帰りになった後だった


その後はKちゃんが後輩を連れてやって来た

今夜は色んなお店を回るらしくて

ウチにも立ち寄ってくれたのだった

本来はママのファンなのだが

彼女は風邪なのに無理して出勤し

ビールとブランデーをガブ飲みしたのが災いしたらしく

具合悪くなってさっきタクシーで帰ってしまった

「ゴメンネ~、ママは今帰っちゃった処よ~」

ありがたい事にそれでも店に入ってくれた

KちゃんのレインボーカラーのTバックの話や

ブログに出会い系のコメントが来て

うっかりアクセスしたらとんでもない事になった話など

楽しい話で時間が過ぎて行った

彼の後輩は沖縄出身との事で

目元が川平慈英にそっくりだ

可愛い顔なので彼女も居るだろうと思ったら

仕事が忙しくてそれどころではないようだった

お料理の得意な女子が希望だそうだ


Kちゃん達が帰った後は

近所の小料理屋の帰りに立ち寄ってくれたケイちゃん

彼は何故か機嫌が悪かった

小料理屋の前に行ったフィリピン人のローズから冷たくされたのだろうか

「んもう、ケイちゃんたら何よ~」

猫なで声で鼻をつまんでおしおき

「そうそう良い香りの香水があるのよ」

ケイちゃんは色んな香水を日替わりで付けている

私もプワゾンの強烈なのを以前プレゼントした

今回はマヤから貰ったデューンを

彼のお腹辺りにワンプッシュした

その途端ケイちゃんはゲホゲホと咳き込んだ

モロに吸い込んだ様だ

「何だよ~キツイ匂いだな~」

「あら、この香りは私がずっと愛用してたのよ

 慣れればホントに深みのある素敵な香りよ」

そんな私の能書きには耳も貸さず

そろそろ帰ると聞かない

「わかったわよ!」


自転車に跨いだケイちゃんが転ばない様に見送った後

ホントに久々のお客様マー坊のテーブルにお邪魔する

彼は今年還暦を迎えたゲイで我々は彼を“お母さん”と呼んでいた

7~80代の太ったオジサマが大好物らしい

当店には中々マー坊のタイプは来店されないのだが

何故か月イチペースで遊びに来ていたのだ

この日ニット帽を被りマスクをした彼を

普通のスナックと間違えた人と思い

ヒデミは「オカマバーだけど大丈夫?」と聞いていた

私も最初はマー坊だと気付かなかった

何故なら彼は随分と体型が違っていたからだ

以前はとてもスリムで若々しく顔は三木のり平そっくりだった

それが今は10キロ以上太り顔は金子信雄に似ている


緑茶を飲みながら

「病気で2ヶ月入院したのよ

 そのお陰で酒もタバコもやめたわ

 退院後は早朝にジョギングを欠かさないの

 それでお腹空かせて目一杯ご飯を食べるワケ

 その甲斐あって今はこんなに素敵に太ったわよ」

マー坊はお腹の出た体型に憧れていて

自分もそんな風になりたかったのだとか


酒とタバコはやめられても男はやめられないらしく

上野のゲイサウナ“大番”には足繁く通っているとの事

「勿論彼氏も居るわよ

 71歳なんだけど脳梗塞やって半身不随なのよ

 でもアッチは元気よ~

 もう色んなプレイでヒイヒイ泣かされてるわよ~」

嬉しそうに彼との秘め事を話すマー坊

ノンケのトシは目を丸くして聞いている


当店の向かいのビルの地下にMと言う店があり

お客さんが居れば何時だって営業を続けていた

マー坊はフケ専なのでそこの店を紹介した

ちょうど彼好みの常連さんが居て

ウチの帰りにMに寄るのが楽しみだったのだ

しかし数年前に閉店しマー坊も姿を見せなくなった

「懐かしいわね~

 よくマー坊が出しゃばって

 コハル姐さんやテルちゃんに叱られてたっけ」

Mのスタッフのお姐さんたちは現在Mの隣のRに居る

ただそこは1時頃に閉店してしまうのだ

ちょうど4時になった

「マー坊そろそろ看板よ」

「そうね、また来るわ~」

「Mはもうないからこれからどうするの」

「あら、ウチに帰ってジョギングよ

 お昼から大番に行って来るわ~!」

何とも元気なお母さんなのだった
















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