おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

75歳の女性タクシードライバー

2010-08-28 14:07:22 | Weblog
昨夜の事

いつもの様にミッちゃんから連絡があり

吉祥寺のスティングに迎えに行く為タクシーに手を上げた

深夜3時頃だったので店前を流している車はないだろうと

駅まで歩く途中の事だった

「吉祥寺までお願いします」

「はい」と帰って来た声は女性だった

タクシーに乗った時に女性のドライバーだと何だか安心する

彼女が言葉を続ける

「あら良かったわ~

 今日は暇でね…」

声の調子に聞き覚えがあった

「もしかして運転手さん、以前も乗せてもらった事のある人?」

「エッ?そう?」

確かに間違いない

あの75歳の女性ドライバーだ

かなり前のこのブログでも紹介したが

彼女は高齢者専門のタクシー会社に所属して居る

90歳越えのお母さんの面倒を見ながら

週に何度か車を運転しているそうだ


「あら嬉しいわ、お姐さんとまた会えるなんて

 確かキャリアの長いドライバーさん達ばかりの会社よね」

「そう、でもね最近は不景気で12人もリストラされたの」

「まあ、何処も大変なのね」

車はあっと言う間に吉祥寺の丸井前だ

人影はまばらで空車のタクシーが列を成している

キャバのボーイだろうか

こんな時間なのにまだキャッチをやっているが

あまりにも人が居なさ過ぎて手持ち無沙汰だ


「最近ミッツ何とかって言うのがよくテレビに出てるよね」

徳光さんの甥っ子のミッツ・マングローブの事だ

私に合わせようとオネエ系の話を振ってくる

「あのミッツ何とかよりもお姐さんの方が綺麗ネエ」

お世辞でも嬉しい

「そう言えば、もう一人でっかいのが居るじゃない」

「ああマツコ・デラックスね、よく似てるって言われるわ」

「そんな事ないよ、お姉さんの方が一回り小さいよ」

え~と嬉しいんだか何だか…


車は間もなく目的地だ

とても名残惜しい

このタクシーは指名が出来ないので

また次に乗せてもらえる日はいつか分からない

料金は1250円だがお姐さんは1000円で良いと言う

とんでもない、そんな事は出来ないと

私は少ないけれど2000円でお釣りはいらないと彼女の手に渡すが

決して余分には受け取ってくれないのだ

「じゃあせめて額面通りに受け取って

 たまには娘の言う事聞いて」

いつの間にか娘になっているし…

「そう、ありがとね」

車を降りてからもとても名残惜しかったが

またいつか運が良ければ乗せてもらえるだろう

どうかそれまでお元気でね








 

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