おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

一枚のスカーフ

2012-06-17 22:18:42 | Weblog
今日は蒸し暑い1日だった

日付が変わる1時間半前だと言うのに

私のお部屋の温度は27度で扇風機を回している

勿論、部屋中の窓は全開だ

これで雨でも降って居たら締め切った部屋の温度は

更に上昇しているだろう


仕事から帰って来て地元駅に着いた

最近はうっすらと冷房の入った待合室で

行き交う通勤電車や乗客の姿を眺める事が多くなった

椅子に腰を掛けてボーっとしていると

ついうつらうつらしてしまう

そう言えば以前この待合室でよく見かけたオネエさんだが

ここの処その姿を確認していない

店を移ったのだろうか

兎に角あの光景は誰もが朝から胸焼けする様なモノだった


待合室に幾つか並んだやや大きめの硬いベンチ

その一番端が彼女の指定席だった

身長は180センチくらいありそうだ

もしかしたらそれ以上かも…

細身と言うかガリガリに痩せた体型に

いつも胸元の開いたTシャツと超ミニのスカートを合わせていた

豊胸手術は済ませてある様で

他はガリガリなのに其処だけは豊かに盛り上がっていた

髪の毛は茶色に染めて腰の辺りまで伸ばしている

彼女の場合、店でさんざん売り上げに貢献したのか

いつも酒の匂いといびきを撒き散らしていた

朝の風景におよそ似つかわしくないその様子に

眉をひそめるご婦人やら見て見ぬふりのオジサンたち


ある日のこと

いつもの様に待合室に入ったら彼女は定位置に居た

しかしその日は様子が違っていたのだ

何と椅子から大きな身体が半分ずり落ちかけているではないか

よく電車の中で向かい合った女子高校生などの

スカートの中が見えそうな時

勇気を出してか、それとも己の欲望に負けてか

男性がシートから腰を手前にずらして

何とか目の前のラッキーショットを目に焼き付けようとする

あの時の体勢を思い出して欲しい

まさしくそんな状態で彼女は相変わらず地鳴りの様ないびきをかいていた

勿論その日もミニである

当然ラッキーショット?丸出しであるが

何だかやけに其処の中心部の膨らみが大きいのだ

あらやだわご立派なモノをお持ちなのね

それにしても凄い格好である

待合室にはまだ4~5人しか居なかったが

瞬時に見てはいけないものと察知してか

彼女から離れた場所に固まって腰掛けていた


その時である、新しく待合室に入って来た老婦人が

大きな地鳴りをさせながらあられもない格好で眠っているオネエを見て

すぐさま近寄り、首に巻いていたスカーフを

彼女の腰の辺りに置いたのだ

高級なシルクと思われるそのスカーフは

一瞬にして地獄絵図を平和な朝の姿に戻したのだった

きっとその場に居た他の人たちは

心の中で老婦人に拍手を送った事だろう


あの後、オネエはどうなったのか

また老婦人のスカーフは?

最後まで見届けて居ないので不明だが

きっと眠りから覚めたオネエが

腰を覆い隠しているスカーフに気付き

誰とも知れない親切に感謝したのではないだろうか






















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