おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

誰もいない海

2017-09-01 18:54:35 | Weblog
出勤電車内にて更新している

蝉時雨が秋の虫の音に入れ替わりながら

今年の夏は暑かったと

懐かしい思いで振り返る

残暑もかなり厳しいと

嫌な予報が出ていたけれど

8月が終わった途端に

半袖では居られない肌寒さだ

更に待っていた様に台風も接近

暑がりの私には涼しくなるのは大歓迎

出勤時のバスを逃した時に

駅までの15分はかなりキツかった

タクシーを利用したくなったが

1度そうすると

癖になってしまう私なので

今の所はまだ自分を戒めている

これから涼しくなって来れば

駅まで歩くのも苦にならないので

バスの到着時刻を気にする事もない

運動不足の解消にはほど遠いが

朝晩、歩く事で町の移り変わりを知り

季節のうつろいも感じる事が出来る

歳を重ねると1年があっと言う間だ

日本に生まれた事を

ありがたく実感できる四季それぞれの

目で見て肌で感じるうつろいを

しっかりと焼き付けておきたくなる

木々が色づくに連れて感傷的になるのは

若かった頃にさんざん通った鵠沼海岸を

思い出すからかもしれない

ストレスを抱えて潰れそうになってた頃

週末に海を眺めに行く事で

自分のちっぽけな苦悩が和らいだのだ

行くと必ず居たオジサン

デッキチェアーに寝そべって

FENを聞きながら

ずっと缶ビールを飲んでいたっけ

彼の姿を横目に

私もいつかあんな感じで

何にも縛られないで

自由に居られる環境を

手に入れたいと羨んだものだ

お盆も過ぎて秋の気配が近付くと

浜辺に人の姿は一気に減って

いつか、あのオジサンも

現れなくなった

それでも私は足繁く江の島線に揺られ

海を見に行ったのだ

さすがに肌寒さを感じ始める時期

今年も見納めだと思うと

来年もこの景色は

私を優しく癒してくれるのだろうか

あのオジサンも来るだろうか

色々考えて感傷に浸っていた

あの時の事が私の脳裏に刷り込まれ

夏の終わりから秋にかけては

何もロマンスはないものの

出逢いと別れがあったかの様な錯覚で

「誰もいない海」の歌い出しが

頭の中をリフレインするのだ