Ｓさん

出勤電車内にて更新している

昨夜はとても暇だった

この日出勤の女性が身内の急病により欠勤

代わりに木曜日は休みのトシに代打を頼もうと

ラインするも返事がない

水曜日の仕事終わりにお客さんとアフターで

遅くまで飲んだのかもしれない

まだ接客に不馴れなカズマの二人営業を覚悟して

店前に立つも人通りは少なく

見知った顔が通る気配もなかった

寒空の下、１時間居たら身体が冷えて来たので

店に入って熱いおぶでひと休み

そこへ店の電話が鳴った

聞き覚えのない声で「何時まで？」

よそゆきのやや艶かしい声で

「４時まででございます

よろしければ、是非お待ち申し上げております」

もしかしたら冷やかしかもと思いながら

しばらくするとひとりの紳士がドアを開けて

店に入って来た

見知らぬ顔なので丁寧な口調で

当店をどちらで知ったのかを尋ねてみた

「○○でオカマちゃんから聞いた」との事

昨年在籍していたＤＢ子だとピンと来た

辞めた後も度々写メールを送って来ていて

一人で寂しく暮らしてる様子が綴られているが

時たま飲みに出掛けては

他のお客様と仲良くなった話などが

嬉しそうに送られてくるのだ

もしかしたらその中のお一人かもしれない

Ｓさんと名乗る紳士は饒舌で

中学校の通学路にあったオカマバーの話から

クスリに溺れたニューハーフの話まで

色んなお店を知っていて

何とサナエさんの事まで詳しかった

彼女が九州のお店に居た時に

親しくしてたらしい

たまに当店を手伝ってくれてる事を伝えると

是非とも出勤日に遊びに来たいと言っていた

ＤＢ子の紹介で見えたお客様が

サナエさんに繋がるなんて何て奇遇

再会が近い内に実現する事を願いたい