大酒乱のⅠさん②

前回の続き…

大酒乱のⅠさんにはコリゴリと思っていたのだが

金曜日の早い時間にノーゲストだったので

ついつい前金で入店させてしまった私

ヒデミは大阪のパパが上京して来たので

近所の小料理屋でしっぽり

小一時間は帰って来ないだろう


お席に案内して最初はとても紳士的に会話していたⅠさんだったが

その後から２組の男性客が入店するや

急に態度が急変した

決して彼の機嫌を損なう様な事はなにもない

彼は他のお客さんが居るとたちまち居丈高になるのだ

そして私に暴言の数々

もしかしたら他のお客さんにも牙を剥くかもしれない

はす向かいのスナックＰではいつもこのパターンで

追い出されている所を何度も見ている


少ししてマヤが出勤して来たので

近所のコンビニへお客さんのタバコを買いに行って貰う

店内にはⅠさんを含めて３組のお客様を私ひとりでお相手

と言っても今は何とかⅠさんをつまみ出す事しか頭にはない

「アンタ迷惑よ、もう帰って頂戴！」

何とか外に出そうとするものの抵抗する彼

私を足で蹴り必死に留まろうとするが

強引に引っ張り出した

前回よりも手こずった

息が上がってゼーゼーハーハー言っている

やはり日頃の運動不足がこんな所にも祟っているのだ

「凄い力だよな～やっぱ男だよな～」

感心しているＭさん

あら前回の様に男の言葉でまくしたてなかっただけでもマシよ

そう思いながらもう一組のテーブルにもお邪魔する


Ⅰさんは追い出された後ドアを蹴飛ばして

そのままＰへ向かったが入れて貰えなかった

当然である

連休前の花金だ

誰が好き好んでⅠさんを入店させるだろう

少しして彼は

性懲りもなく当店のドアを開けたが固くお断りした

もう２度と御免だわ

全くホント早い時間から疲れたわ～