長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ジャスティス・リーグ』

2018-11-20 | 映画レビュー(し)
DCがまたやらかした。
 せっかく『ワンダーウーマン』が持ち上げた屋台骨をザック・スナイダーがめちゃくちゃにしたのだ。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンらに加えて
アクアマン、フラッシュ、サイボーグら人気ヒーローの集結する本作は“DC版アベンジャーズ”として大ヒットを期待されていた。ところが巨額の製作費を投じた本作は『ワンダーウーマン』の半分に過ぎない2億ドルの興行収入に留まり、DCユニバース史上の最低記録を更新。各スピンオフ作品も大きく軌道修正を強いられる事となった。

ムリもない。ギャグもワンダーウーマンの見せ場も増量し、音楽は元祖バットマンのテーマを響かせるダニー・エルフマンが登板するも、CGで塗りたくられた画面は観客の興を削ぎ、個性の乏しいヒーロー達の演技アンサンブルはマーヴェルに及ぶべくもない。敵役となるステッペンウルフの無個性ぶりときたら何だ。ザック・スナイダーはまたしても力任せにぶつかり合うだけのアクションシーンを演出し、終幕にはただ虚しさだけが募るばかりである。

 聞けば本作の“マーヴェルっぽい”部分は『アベンジャーズ』を手掛けたジョス・ウェドン監督による追加撮影だという。家族の不幸がきっかけでザック・スナイダー監督は途中降板したのだ。残念な出来事に端を発しているとはいえ、ようやくDCに訪れた変革の時である。彼が築き上げたものを如何に発展させるのか、続くDCユニバースを(期待はしないが)見守ってみよう。


『ジャスティス・リーグ』17・米
監督 ザック・スナイダー
出演 ベン・アフレック、ガル・ガドット、ヘンリー・カヴィル、ジェイソン・モモア、エズラ・ミラー、エイミー・アダムス、ダイアン・レイン、J・K・シモンズ
 

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