長内那由多のMovie Note

映画レビュー、俳優論など映画のことを中心としたブログ

『アクアマン』

2019-03-20 | 映画レビュー(あ)


惨憺たる『ジャスティス・リーグ』でついに“DCにはもう金を落とさん!”と見切りをつけた筆者だが、あの『ワンダーウーマン』と比類する特大ホームラン級の大ヒットと聞いて今一度、腰を上げて劇場へ向かった次第。『ソウ』『死霊館』シリーズで知られるジェームズ・ワン監督の明朗な演出によってDC随一の快作に仕上がっていた。

格好ばかりのザック・スナイダーとは全く別のメソッドの映画だ。筋肉!タツノオトシゴ!カニ!サメ!ジェイソン・モモア!とブツ切り具材を盛り合わせた海鮮丼状態で、しかもランニングタイムは2時間20分の“大盛”だ。壁を吹っ飛ばすか床に穴を開けるかしないと話を進められないガサツさだが、こんな大雑把さが許せてしまうのもジェイソン・モモアの豪放な存在感があってこそである。ウジウジしたドラマは必要ない。人を殺して決め台詞までやってくれちゃって、特に冒頭部分にはシュワルツェネッガーの筋肉アクションを彷彿とさせるものがあった。

ストーリーは(一応、聞いとく?)海底王国の女王ニコール・キッドマンと灯台守のジャンゴ・フェット(テムエラ・モリソンだ!)の間にジェイソン・モモアが誕生。一方、王国の継承権を主張する弟オーム(パトリック・ウィルソン史上一番カッコいいパトリック・ウィルソン)が地上人類の絶滅を目論み、侵攻を開始する。人魚姫メラ(『リトル・マーメイド』と配色が同じ事は内緒だ)の助けを借りたアクアマンは正当な王位継承者の証であるトライデントを探しに旅に出る。『インディ・ジョーンズ』まで盛り込まれる大盤振る舞い状態に「干上がりませんか?」なんて野暮な質問はナシだ。ジョニデのキャリアにトドメを刺したメラ姫役アンバー・ハードはついにブレイクスルーである。

彼らの行く手に立ちはだかるのがアクアマンに父を殺され、復讐の時をうかがっていた海賊ブラックマンタだ。オームと内通し、汚れ仕事を引き受けていた彼は海底王国性のパワードスーツをアイアンマンよろしくDIY作業でカスタマイズ。出来上がったスーツは「どうしてこうなった」と言いたくなるデザインだが、ようやくパワー面でアクアマンに追いついた。それでもいかんせん、小物臭が抜けないがご愛敬。原作ではアクアマンの宿敵らしい。ふーん。

すったもんだの末、クライマックスはサメ、タツノオトシゴ、カニ、マグロ等々が入り乱れる寿司三昧もとい海中大戦争に。モモアがヤドカリとタコのあいの子みたいな巨大海獣に乗って戦う姿はもう一体何の映画を見ているのかサッパリわからなくなるが、見た目のインパクトだけで乗り切る剛腕演出にただただ圧倒されるばかりである。

かくして海底七王国を統一したモモアは王位争奪戦に勝利するのであった…ってこれ『ゲーム・オブ・スローンズ』か!ドラカリス!



『アクアマン』18・米
監督 ジェームズ・ワン
出演 ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、パトリック・ウィルソン、ウィレム・デフォー、ニコール・キッドマン、テムエラ・モリソン、ドルフ・ラングレン
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