【MOVIE】
1、『ノマドランド』
監督 クロエ・ジャオ
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監督 スパイク・リー
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3、『ファーザー』
監督 フローリアン・ゼレール
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監督 ハーモニー・コリン
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監督 庵野秀明
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監督 カーロ・ミラベラ・デイヴィス
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監督 ジョン・クラシンスキー
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監督 コーネル・ムンドルッツォ
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9、『時の面影』
監督 サイモン・ストーン
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10、『21ブリッジ』
監督 ブライアン・カーク
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【TVSHOW】
監督 バリー・ジェンキンス
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監督 ルカ・グァダニーノ
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監督 レニー・アブラハムソン、他
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監督 ギャレス・エヴァンス、他
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監督 アジズ・アンサリ、他
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監督 ミシャ・グリーン、他
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監督 マット・シャクマン、カリ・スコグランド
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監督 ノア・ホーリー
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監督 ビル・ヘイダー、他
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監督 トム・マーシャル
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※映画は2021年1月〜6月に劇場公開された作品を、TVシリーズはこの間にシーズン完走した作品から選出している。
【あれから何か変わったのか?】
去年の今頃、僕は未曾有のパンデミックに怯え、将来を憂い、仕事を失くし、家に引きこもった。それからの1年間、まるで時間が止まったような日々だった。
今年に入り、アメリカはバイデン政権の発足によってワクチン接種が急速に進み、ハリウッドは4月にアカデミー賞を何とか無事開催。HBOMaxと劇場での同時リリースで物議を醸したワーナーは『ゴジラvsコング』が映画館に観客を呼び戻す大ヒットを記録し、続く『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』も1億ドルを突破。アメリカ映画界は昨年の遅れを急ピッチで取り戻しつつある。
翻って日本は政府の無策によってパンデミックがほとんど人災と化し、首都・東京はこの半年間のほとんどが"緊急事態宣言下”という異様である。『ノマドランド』や『ミナリ』はオスカー受賞にも関わらずその興行価値を得ることなく市場を後にし、『ユダ&ブラック・メシア』(Judas and the Black Messiah)は配信スルー、その他多くのオスカー候補作が例年、封切られる春を見送って下半期にスイッチした。しかし、7月に入って東京は4度目の非常事態宣言に突入である。国内の洋画市場はすっかり冷え切り、上質のハリウッド娯楽作『21ブリッジ』『Mr.ノーバディ』、そして『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』が不発に終わったのは非常に悔しい。
ディズニーは昨年に続き、自社ストリーミングサービス"ディズニープラス”で新作を相次いでリリース。ピクサー新作『あの夏のルカ』の劇場公開を見送り、『ラーヤと龍の王国』『クルエラ』は劇場公開とほぼ同日に配信を開始、これが劇場側の反発を招く事となった。7月公開の『ブラック・ウィドウ』に至るまで都心の主要劇場ではディズニー作品がシャットアウトされ、僕らは満足に見ることのできない状態である。今後、日本だけパンデミックが続けば映画市場、とりわけ海外映画が先細りするのではないか。
【多様化する映像芸術】
これまでひと口に“アメリカ映画”と呼んできたが、今やそれを構成する要素は多岐に渡る。オスカーを制した『ノマドランド』はかつてジョン・フォードやテレンス・マリックが描いてきたアメリカの大地と魂についての映像詩であり、そのメガホンを取ったのは中国系のクロエ・ジャオ監督である。アカデミー賞はそんな新世代にアメリカ映画が“継承”された事を象徴する重要な瞬間だった。
遅ればせながらNetflixのTVシリーズ『マスター・オブ・ゼロ』に舌鼓を打った。シーズン1はウディ・アレンを思わせる都会派コメディ、シーズン2ではイタリア映画へのオマージュが散りばめられ、シーズン3ではなんとベルイマン映画へと接続し、黒人レズビアン夫婦の別離が描かれる。そんな作家性あふれるTVシリーズの脚本、監督、主演を務めるアジズ・アンサリもまたインド系の移民2世である。
映画監督によるTVシリーズ進出はさらに加速し、ギャレス・エヴァンスが『ギャング・オブ・ロンドン』、レニー・アブラハムソンが『ノーマル・ピープル』で新たな代表作を得れば、バリー・ジェンキンスが『地下鉄道』を、ルカ・グァダニーノが『WE ARE WHO WE ARE』 のシーズン全話を監督。一方でルッソ兄弟の『チェリー』(140分)や、ドイツのブルハン・クルバニによる『ベルリン・アレクサンダープラッツ』(183分)は長尺を章仕立てにしており、さながら“TVシリーズのような映画”である。
映画とTVシリーズの境界は曖昧となり、そして乱立するストリーミングサービスと膨大な作品群によって観客に正しくリーチしない現象はさらに深刻化しているように感じる。緊急事態宣言下の今年春はNetflixが毎週のように新作をドロップし、僕たち映画ファンは干からびずに済んだ。しかし美しい小品『時の面影』をいったいどれくらいの人が見ただろう?Netflixに至ってはタイトルも入れずにツイートする有様である。
最後に、このブログを定期的に読んでくれている人はお気づきと思うが、上半期はリアルサウンドというWEBメディアへ記事を寄稿する機会に恵まれた。映画レビューは全くの趣味で始めたことだが、こうして多くの人の目に触れる事ができるのはとても嬉しい。海外ドラマを中心に今後も不定期連載することになると思うので、そちらもぜひ。
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