リッスン・トゥ・ハー

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仙台七夕にもETC効果

2009-08-09 | リッスン・トゥ・ハー
やってくる。ぞくぞくとやってくる。その目的は何なのか、不明確だがやってくる。あとからあとからやってくる人の群れは、波、大きな波となって仙台を飲み込む。飲み込まれた仙台は、もみくちゃにされて、ポイ。捨てられた仙台は燃えるゴミの日に回収車に乗せられて、焼却炉に投げ捨てられて、1000度ほどの高温で蒸され、焼かれ、灰になる。灰になってなお仙台は仙台であるが所以の、牛タンなどの匂いを漂わせて、周りを惑わせる、一瞬ここは焼き肉屋なのか戸惑わせる。月に一度の焼き肉の日なんだね母さん、などの声が聞こえる。仙台はその言葉を聞いて、末永く母さんを大切にするんだよ剛志、と剛志に言葉をかける。

魔の14番

2009-08-09 | リッスン・トゥ・ハー
14番と告げるとき、館長はたしかに一瞬躊躇してつばを飲み込み、振り切るように吐き出した。館長がこんなにも緊張しているのを私は見たことがない。どうしてそんなに14番を意識するのだろうか。それは私が伺い知ることのできないほど複雑な理由があるのだろうし、またそれは館長だけでなく、14番のことを知っているのであればどうしてもそうなってしまうというものだ。私だって改めて呼ぶならば同じようなことになっているに違いない。それほど、14番は危険なのだ。危険であり同時に興味深い、危険であることがわかっていても、14番に関わりたくなるあの魅力。14番が意識を取り戻す、立ち上がる、そして何をするのか、誰にもわからない、あくびを、あくびをして横になり、再び眠る夏の午後。

巣ごもり消費

2009-08-09 | リッスン・トゥ・ハー
金がないから何もしない。何もしないから金がない。どっちにしろ金がないが、生きていかなければならない。私はまだ死んではならない。もういいよ、別に誰も悲しまねえよ、と思っているものの方が多い。いやむしろ何も感じていない。存在をかけらすら感じていない。さらに、死ね、とさえ思っているものさえいる。私には敵が多いのだ。外には敵が多い。危険だ、だからこもろう、この部屋にこもろうじゃないか。これがきっかけだった。貯金は割とあるほう。今まで一心不乱に、大手商社に勤めてきた分、私は浪費しないたちであることが幸いした。だいたい10年ほどは何もしないでも大丈夫なほどの貯金額。で10年経ってみると、当然のように金はなくなる。かといって働くのは嫌である、というより危険である。どうして私が皆から嫌われているのかはこの際関係ない。これからどうしようか、どうしようか、不安になってきたが、その不安が私にアイスクリームを食べさせるのだ、チョコレートをガリガリかじりながら中にバニラの入っている同じタイプのアイスばかり食べている。甘いものであるので原やその他の体はぶよぶよである、だんだん、動けなくなっている。サイズも大きくなっている。ネットで注文し、郵便受けに放り込んでもらう。アイスだけ買うとすればあと5ヶ月は持つ。私は部屋の形になりつつある。郵便受けのすぐ側に口をもってきて、アイスの袋ごと噛みしだいて食う生活。