リッスン・トゥ・ハー

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犬猫に育てられた少女

2009-06-03 | リッスン・トゥ・ハー
わにゃんと鳴いた。わにゃん。犬が右に、猫が左にいて、少女はそのどちらかを選ばなければならなかった。犬には犬の猫には猫の事情があった。別れは必然だ。ワニャンと鳴いてその親として自分を育ててくれた両方に媚を売っているようであった。媚を売る少女は健気で、とても美しさを備えていた。光が差し込む、その先に少女は目をやる。眩しすぎるのかすぐに目を伏せ、困ったなあと言う風に、首をひねる。猫ははやくもじれったそう。犬は全く動かずに少女を見ている。信じきっているようだ。少女そこに落ちていたトカゲをつまむ。トカゲは身をよじって逃げる、しっぽが切れてぐるんぐるん反動付けてトカゲ跳び逃げる。少女は尻尾を口に放り込んでそしゃく、くちゃくちゃと音が鳴る。