2007/12/05(水) TBS NEWS
ガソリン最高値、各業界で必死の工夫
TBSニュースで「ガソリン最高値、各業界で必死の工夫」と報じていましたので掲載します。
http://nawata01.eco.coocan.jp/07TV_movies/TBS/tbs_oil_20071205.wmv
原油の国際的な高値が続く中、国内ではレギュラーガソリンの全国平均の店頭価格が、今週ついに154.9円とこれまでの最高値を大幅に更新しました。影響はさらに深刻になり、各業界は必死の工夫でしのいでいます。
巻き網漁が盛んな山口県長門市。原油価格の高騰は漁師の生活に深刻な打撃を与えています。漁船の燃料が1年前より10%以上上昇しているのです。
「油の値がええと、みんな沖には行きとうならん」(地元の漁師)
さらに、巻き網漁で魚を集めるために使う「ハロゲンランプ」も軽油で動かすため、影響はさらに深刻なものとなっています。
危機感を深めた県の漁業組合などは、「ハロゲンランプ」に比べて軽油を大量に使わないですむ「LEDランプ」で漁を行う新たな実験を始めました。このLEDランプは試作段階のため、価格が高いことや大きく重たいことなどが課題ですが、ハロゲンランプと比べて軽油の消費は3割から4割抑えることができるといいます。
「より普及型の小型のLEDが開発されればいい。漁師さんもそういったものに飛びついてくると思う」(山口県萩水産事務所、安成 淳 氏)
高止まりを続ける原油価格。先月99ドルまで上昇した後、いったん落ち着いていますが、石油産出国の動向によっては再び上昇する可能性も指摘されています。
国内では、レギュラーガソリンの全国平均の店頭価格がついに154.9円と最高値を更新するなど、交通手段をはじめ、生活全般に影響が広がり始めています。
東京・品川区の貨物電車のターミナル。夜の10時を過ぎたころ、トラックが次々と集まってきます。佐川急便では専用の貨物電車を開発。東京-大阪間で10トントラック28台分の荷物を運んでいます。地球温暖化対策につながり、年間では長距離トラックおよそ1万6000台分の二酸化炭素が削減できたといいます。集配所ではトラックを使わず、すべて台車で配達。駐車場を探す手間も省け、ガソリンのムダな消費が減りました。省エネ対策として進めてきた「原油離れ」の取り組みを、原油高の影響を抑えることに生かした形です。
「もう少し長い目で見ますと、2010年あたりまで原油高が続いていく可能性があるのかな、という風に思ってます」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング芥田知至 氏)
依然、不安定な状況が続く原油価格と向き合っていくため、企業や家庭での一層の知恵と工夫が求められています。