2008/07/29(火) TBS NEWS
WSJ大幅値上げ、米の新聞業界事情
TBSニュースで『WSJ大幅値上げ、米の新聞業界事情』と報じていましたので掲載します。(07/29放映)
http://nakate.nawata01.com/08TV_movies/TBS/0701/tbs_america_wsj_20080729.wmv
アメリカの新聞で2番目に多い発行部数を誇る「ウォールストリート・ジャーナル」が、大幅な値上げに踏み切りました。インターネットに押されるアメリカ新聞業界に、原油高と景気減速が追い討ちを掛けています。
これまで1ドル50セントだったこのウォールストリート・ジャーナル。50セント値上がりし、2ドルとなりました。今回、店頭価格を30%以上値上げしたウォールストリート・ジャーナル。価格は去年6月時点の2倍にあたります。
これに続き、発行部数全米3位のニューヨーク・タイムズも、8月中旬からの値上げを発表。原油高騰を背景にした印刷や配送のコストの増加、そして、アメリカの景気減速による広告収入の低迷が有力紙の経営を圧迫しています。
「値上げは、今のこのアメリカで起きていることを反映しているね」(市民は)
「誰が2ドル払うかって?インターネットを使えば、何でも見ることができるんだよ。手を汚さずにね」(新聞スタンドの店員は)
インターネットへの読者流出が続く中、アメリカの新聞各社は、ここ数年、オンライン広告に軸足を移しつつあります。しかし、業界の紙面広告の収入は、去年、前年比でおよそ10%の減少を記録。オンラインの収入が紙面広告の低迷を補うには至っていません。そこに景気も影響し、今年の広告収入は過去半世紀において最低の水準で推移しています。
「アメリカの新聞は滅びつつあるという見方が一般的です。誰もが、(オンラインなど)アメリカ人がニュースを得る新たな環境にどのように適応したらよいか、そして、そこでどう利益を得るればよいか、魔法の解決策を模索しています」(アナリスト、ロバート・マクミラン氏)
読者離れが進む紙媒体で、さらなる値上げに踏みきらざるを得ない状況は、景気とメディアの変革に苦悩する新聞業界の姿を浮き彫りにしています。