夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

めどの立たない事業に無駄遣い。それを推奨する学者馬鹿

2012年01月05日 | 社会問題
 原発から出る使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」事業にこの45年間で少なくとも10兆円が投じられた事が、東京新聞の調べで分かった。国は総費用を計算していないと言う。
 核燃料サイクルの実現化はほど遠いのが現状で、欧米では原発大国とも言えるフランスを始め、アメリカ、ドイツ、イギリスでも撤退しているのだそうだ。その財源はどこから出ているかと言えば、ほとんどが電気料金に上乗せされている。
 10兆円を日本の人口の約1億人で割る。10兆は1の後に0が13個付く。1億は0が8個だから、一人当たり100000円、つまり10万円になる。それが45年間だから、一人当たり年間2000円を負担してきた事になる。電気料金の上乗せで、我々が支払って来た訳だ。4人家族なら、年間8000円の負担である。
 金額としてはそれほど大きな金額ではないが、無駄金だから大きな金額と言える。
 それを、費用では論じられないと言う学者が居る。名古屋大学の榎田洋一教授(原子力化学工学)で、次のように語る。

 太陽光や風力など再生可能エネルギーが発電の主役になるのは百年以上先。ウランも今後枯渇していく中で、高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルは、電力需要を何とかしのぐために必要だ。エネルギー問題は、コストが高い、安いだけでは論じられない。

 供給が追い付かないのであれば、供給に応じた需要で我慢するより仕方がないではないか。そこに創意工夫があるのではないか。供給を上回る需要があるのは、それこそ飽く事無い欲望があるからではないのか。その欲望を満たすために、子孫にツケの回るような危険な事をしてはならない。
 日本の国家財政は借金が膨らむ一方である。無駄を削らずにあれもこれもと欲張るからそうなる。それと同じ事をこの学者は考えている。現状では満足出来ないと言って、借金までして欲望を満たす事が果たして正当と言えるのか。一体、この学者は何のためにエネルギーを使いたいと言うのだろうか。それが見えないのに、コストの高いエネルギーが必要だ、と言うのは理解出来ない。

 学者は自分の専門分野の研究で報酬を得ている。だから、それが要らないような世の中になれば、食って行けないのだろう。学者が生きて行くために要らない物を作る必要はさらさら無い。世の中の幸不幸に全く関係無く、自分の研究にしがみついている学者を私は「学者馬鹿」と言っている。本当は「馬鹿学者」と言うのが正しいのかも知れない。