夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

あんたがたどこさ

2009年12月26日 | 言葉
 夜中、寝ている時にふとこのわらべ歌が頭に浮かんだ。
 「あんたがたどこさ」 
 「肥後さ」
 「肥後どこさ」
 「熊本さ」
 「熊本どこさ」
 「せんばさ」
 この展開が何かおかしい。
 「せんば」は熊本のどこかの地名だ。だからこの問い掛けは場所を小さく絞り込んでいる聞き方だと思う。
 しかし始めが違う。肥後と熊本は同じだ。この歌では、「肥後ってどこの事なんだよ」と聞いている。肥後が広くて、その中の一部が熊本なら、と考えて、なあーんだ、「熊本」とは「熊本市」の事だったんだ、と気が付いた。となると、この問答をしている人々の頭には「熊本県」は無くて、その代わりに「肥後」があったと言う訳だ。
 これって、東京人の私としては分からない。東京は武蔵の一部だとの事情もあるが、東京=武蔵だとは誰も思わないと思う。
 インターネットで調べたら、この歌の最後「それを木の葉で」以下が大きく分けて3種類あると言う。東京では「ちょいとおっかーぶせ」だとあるのだが、私の覚えているのは「ちょっとおっかぶせ」である。「ー」はどうでもいいが、「ちょいと」と「ちょっと」は違う。
 国語辞典では「ちょっと」が正式で、「ちょいと」はくだけた言い方とある。歌の全国調査では「ちょいと」が多数派で、「ちょっと」は山梨県と熊本県と場所不明しか無い。そしてそこでは東京は「ちょいと」になっている。
 私の記憶では子供の時にまりつきで、「ちょっと」としか言っていなかったと思う。記憶の中に「ちょいと」は全く存在していないのだ。子供だから、「ちょいと」などと言えば、あれ、それ違うよ、と気になると思う。まあ、思い違いと言う事もあるだろうが、こうした口ずさみのような事ではそれは少ないのではないかと思う。
 それにしても、何で真夜中に思い浮かんだのだろう。