夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

「平和」を唱える事で戦争は無くなるのか

2009年10月30日 | 政治問題
 10月25日のブログ、kojitan's note「非武装中立はありえない」は、SANKEI EXPRESSの記事(政治部編集委員 野口裕之氏)を紹介している。その最後、「スイス政府が全国民に配布している冊子「民間防衛」を引用して、次のように結んでいる。

「自由と独立は断じて与えられるものではない。言葉や抗議だけでは決して守り得ない。手に武器を持って要求して、初めて得られるものである」

 私もそう思う。だが、新聞などでは、読者の投稿も含めて、「平和憲法を守ろう」と言う声が高い。確かに日本の憲法は素晴らしい理念を貫いている。

1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 世界中が戦争放棄をすべきである、と誰かが言わなければいけない。本当は世界が力があると認めている「大国」のやるべき事だ。世界の指導者と自負しているのだから、当たり前の事である。
 だが、誰もやらない。アメリカもロシアも中共もやらない。それを日本は率先してやっている。しかしながら、その日本の言葉を一体、どれほどの国が、どれほど真剣に聴いているか。誰も聴いてやしない。世界中の国々が戦争放棄をしようと言い、実行し始めても、そうした世界中の国々は、自分の国だけは最後までそれをするべきではない、と思っている。思っていないのは、多分日本だけだろう。
 それをどの国も分かっているから、日本を甘く見る。北朝鮮などはその典型である。多くの日本人を拉致し、ミサイルを日本に向けて発射する実験をしているにも拘らず、日本政府は強い事が言えない。たとえ言ったとしても、侮られるだけだろう。何しろ、永久に戦争を放棄したのだから、実力行使には出られない。

 平和憲法を守ろうと言う人々は、たとえ外国が日本に攻めて来ても、戦わずに無条件降伏するのだろうか。性悪説だけでは世界は救われない。しかし本来は性善説のはずの宗教が、戦争を鼓舞しているではないか。そんなとんでもないのが世界なのだ。戦争放棄の提案は良い。しかしそれはきちんと勝てるだけの戦力を保持して言うべき事ではないのか。