千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

ヤマボウシ

2013年09月08日 | 日記

 生きていてもいいですか



 どきっとするようなタイトル・・・
 中島みゆき、7作目のオリジナルアルバムからタイトル表紙を借用。
 はかなく実を落としてしまうヤマボウシに重ねてみた。
 このことは、先回のブログで書いた。
 というのは単なるいい訳で、オレンジの実に合う色がほしかったのである。
 黒・・・生きていてもいいですか
 ヤマボウシの実を置いた。ぴったりだと、そのとき思った。
 パソコンを買い換えたとき、フォトの記録が消失してしまった。




 校庭のヤマボウシの木の下から拾ってきた。
 何となく、実が成る頃かなと、ヤマボウシ目当てに散歩に出た。
 あった~。
 心が躍った。
 大切に包んで持ち帰る。
 洗って、写真撮りをしてから口に含んだ。
 ざらつくのが気になるが、甘くておいしかった。
 たくさんあれば、ジャムにもなりそう。



風にとけていったおまえが残していったものといえば
おそらく誰も着そうにもない
安い生地のドレスが鞄にひとつと

みんなたぶん一晩で忘れたいと思うような悪い噂
どこにもおまえを知っていたと
口に出せない奴らが流す悪口

みんなおまえを忘れて忘れようとして歳月流れて
突然なにも知らぬ子供が
引き出しの裏からなにかをみつける

それはおまえの生まれた国の金に替えたわずかなあぶく銭
その時 口をきかぬおまえの淋しさが
突然私にも聞こえる

エレーン 生きていてもいいですかと誰も問いたい
エレーン その答えを誰もが知っているから 誰も問えない

流れて来る噂はどれもみんな本当のことかもしれない
おまえは たちの悪い女で
死んでいって良かったかもしれない

けれどどんな噂より
けれどおまえのどんなつくり笑いより、私は
笑わずにいられない淋しさだけは真実だったと思う

今夜雨は冷たい
行く先もなしにおまえがいつまでも
灯りの暖かに点ったにぎやかな窓を
ひとつずつ のぞいてる
今夜雨は冷たい

エレーン 生きていてもいですかと誰も問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから誰も問えない
エレーン 生きていてもいいですかと問いたい
エレーン その答を誰もが知ってるから誰も問えない
                      (中島みゆき「エレーン」)

 しんみりと心を打つエレジー(哀歌)である。
 実在の、名もない娼婦の死がモチーフになっていると聞いた。




 ヤマボウシとは、比叡山延暦寺の「山法師」に因んだ命名とか。
 中央の丸い花穂を坊主頭に見立て、4枚の白い花びらを白い頭巾になぞらえている。

 ヤマボウシ(ミズキ科)



 比叡山といえば、
五木寛之「親鸞下」を読み終わるところだ。

 先年、大阪の娘夫婦と、娘婿の実家がある、大阪でただ一つの村、千早赤阪村に出かけた。弘法大師、楠木正成のゆかりの寺「観心寺」なども案内していただいた。京都にも。秋、古寺と紅葉が見事だった。
 旅を終えて、「観心寺」をネットで検索していたら、五木寛之の「百寺巡礼」の途中で書いたらしい文章が目に止まった。
 いつか読んでみたいと思っていた。

 書店で「親鸞」の文庫本に出会ってしまった。
 時間がかかるが、読み出したらやめられなくなる私である。
 三浦しをんは、一通り読んだので休読。
 「親鸞 激動篇上下」と続く。
 歴史に詳しい訳ではない。作家の描く親鸞に惹かれていくのである。
 生身の人間味に。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿