お松の池
悲しい伝説がある《お松の池》は、ようやく春を迎え、ひっそりと佇んでいた。
森、残雪、池の青、桜の花が水面に映し出されて、その美しさに陶酔する。
昔々、雪深いこの村に、雪の降らないあたたかいところから嫁いできた女がいた。雪国の女は、機織りをして暮らしを助けなければならなかった。姑は村で一番の機織り上手。嫁に厳しく指導をした。嫁は一生懸命に織ったが、姑の気に入る機を織ることができなかった。何年かたって、嫁は精魂込めて織り上げたが、次第に心身ともに疲れ果て、姑の留守中に池に身投げした。
後に、それが立派な織物に仕上がっていたことを認められ、村人は嫁の名を取り、「お松の池」と呼ぶようになった。
織神様として、松尾神社に祀ったと伝えられている。
八箇(峠)トンネル
トンネルを越えた空き地でコゴミを探したが、山道は雪に阻まれていた。対岸の陽当たりのいい斜面に生えていたが、まだ早い。雪消えを待つしかない。
空き地で、フキノトウを少し摘む。
違う山に移動して採取したものが、フキノトウ、ミヤマイラクサ、葉ワサビ、つくし・・・
フキノトウのキンピラ
茎が長いものは薹を捨てる。
丁寧に水洗いをし、塩を加え沸騰させた湯にフキノトウを入れ、一煮立ちさせる。冷水にしばらく浸けてあく抜きをする。塩、湯が少ないと色変わりするので要注意。
水を切り、好みの長さにして炒める。
サラダオイル、料理酒、味醂、だし。
ミヤマイラクサのバターソテー
(別名アイコ)
丈が30センチくらいの、今どきしか食べられない。
茎にトゲがあるので要注意。葉っぱは捨てる。
茹でて、冷水に浸けあく抜きをする。
バターで炒めながら、醤油少々を加えて出来上がり。
葉(花)ワサビのお浸し
葉(花)ワサビをよく洗い、切ったワサビをザルごと熱湯をかけながらガサガサ潜らす。何度も繰り返しているうちに辛みが生じてくる。それを密閉容器に入れて、砂糖、醤油を適量入れて一、二時間置く。ほどよい辛みと香りが出てくる。
つくしの甘酢漬け
初めての挑戦!
先端の胞子が開いた状態のものは、茎が堅くなっているので、できるだけつぼみ状のものを摘む。
ゴミを除いてハカマを取り、冷水でよく洗う。たっぷりの熱湯に酢を加え、つくしを入れてさっと下ゆでをする。すぐざるに上げ、水けをきって冷ましておく。
甘酢は好みがあるが、酢、砂糖、塩少々を鍋で一煮立ちさせたら冷ましておく。
つくしを甘酢につける。つくしが常に甘酢に浸かっている状態にしておくこと。一晩で食べられるが、冷蔵庫で一年くらい保存できるそうだ。その際は、煮沸消毒をした保存瓶に入れること。
お酒を飲みながらでもいい。
ご飯とも合う我が家の山菜料理は、
これからが本番を迎える。
お松の池の幻想的なたたずまいは感動でした。
この季節でなければ出逢えなかったと思います。それも芽吹きの頃の残雪と桜、静寂な湖面が見事に調和していました。
今頃は、散った桜の花びらが湖面を彩っていることでしょう。