霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

魔王が世界を征服できない理由

2007年08月13日 22時54分04秒 | アニメ、ゲーム、映画等
日誌のクオリティがめっきり落ち込んでいる昨今だが、ごきげんよう諸君。いかがお過ごしかな。私の方はと言うとだな、実は現在新潟県に潜伏している。

ただ、現地の協力者園田さん(仮名)がこのお盆の時期にも関わらず急遽日帰り出張に駆り出された為、園田さんの家に一人たたずんでこうやってパカパカ打っておる訳である。本人は10:30ごろに戻ると言っていたが、本日は13日である。

13日ということはどういう事かと言うと、帰省ラッシュのピークという事である。んで日帰り出張はどこに行ったかと言うと首都圏であり、もっと言うと東京である。

日付変わらないと帰ってこれないんじゃなかろうか。


さて、私の敬愛する寺好き・東方千年帝国総統閣下が『昨今、このような考察が流行っておるようなので余もやってみる。』と仰って考察なされておった為、私もやってみる次第。

しかしよく考えてみると、私はゲーマーだがRPGをあんまりやらん。やりこんでおったとしても、ロマサガだったりしてあまり一般的ではないゲームをやりこんでおるから、魔王なんぞ早々出てこない。

2の七英雄にしたって、別に世界征服しようとしてた訳じゃないからな。これがロマンシングのつかないサ・ガシリーズになってしまうと、初代サ・ガ(魔界塔士サ・ガ)とかになってしまうと、最後の世界に辿り着いたら神様が現れて、「おめでとう! 貴方達は初めてこのゲームをクリアしました!」とか抜かし始める訳で、世界を征服するとかしない以前に世界は元々野郎の持ち物だったという事になってしまう。


んで。RPGの世界は色々だが、魔王がいて世界を征服しようとしている事は割とよくある話である。しかし、魔王の世界征服が成功したかと言われると、とんとそんな話は聞かぬ。

多分無いんじゃなかろうか。もしあったとしても、それはゲーム開始当初の話であり、ゲームが始まると勇者達が各地で軍団長を撃破し、全世界で一斉蜂起が発生して魔王は明智光秀になってしまう。

これは変ではなかろうか。この世の中には数え切れないほどのゲームがあり、数え切れない数の世界に数えきれない数の魔王が居る訳だ。ならば、一度や二度魔王の世界征服が叶えられていい筈である。しかし実際のところはと言うと、全然成功しておらぬ。何故だろうか。


ここで、魔王は何故世界征服を行えるのかという点を考えてみる必要がある。魔王はどんな行為によって世界を征服しようとしているかと言うと、それはつまり戦争である。戦争。武力行使。ゲパルト。一心不乱の大戦争。

つまり、魔王の政治力は軍事力によって支えられておるという事になる。つまり魔王は、最近の例でいうとカストロとかヒトラーとかナポレオンとかの軍事独裁者、昔の例で言うとアレクサンドロス大王とか織田信長だとかそういった連中に近い人間だという事になる。武断派だという事だな。ではその軍事力の内容は何かと言えば、勿論魔界の軍団である。

ああ、なるほど。これのせいか。



ここで一旦話を違う方向に持っていくから今までの話を少し忘れてくれ。

そもそも、世界征服(と言うか征服)はどういう行為かと言うと、世界中の人間をブッ殺して回るとかそういうのではない。だって、それじゃあ儲からない。儲からなきゃ意味が無い。

考えても見たまえ。それが例え小規模な都市でも、皆殺しにしたければかなりの労力が要る。人口が3000人だったとすると、攻城戦の攻め手は守り手の三倍の戦力がないとまず勝てないから、約一万人の軍隊の動員が必要である。

しかもこれは軍隊を動員するだけで済む話ではない。人間の都市に攻撃を加えるという事は、食料をそこまで持っていかねばならない。一万人分の食料を、毎日三食(二食かもしれんが)分ずつ滞りなく運ばねばならん。クロネコヤマトもお手上げである。

更に、いくら魔軍だって素手で戦う訳ではない。まぁ自分の身体だけで戦うモンスター(ドラクエでいう腐った死体とか)もいないではないが、逆に言えば武器防具が必要なモンスターも結構いる(同じくドラクエで言えばスライムナイトやキラーマシーンだな)。この武器防具は、魔界で生産せねばならない。鉄鉱石を発掘し、不純物を取り除いたりして丈夫な鋼にし、更にそれを鍛え細工を施して甲冑や剣に仕上げ,さらにそれを運ぶ必要があるのだ。武器装備率が1/2だとして、約5000人を完全武装させねばならない。

これで、遠征というものがどれだけ非経済的な活動かわかろうというものだ。こんだけ金をかけてやるからには、戦争に勝利した時の経済的利益が無ければとてもとても生きていけない。


では、その経済的利益とは何か。それは現地政府の接収によって発生する。諸君も職についたりしておらんでも税金を払っておる。例えば消費税などだな。この税金は日本ならば日本の政府が管理して徴収し、国家予算として使っておる訳だ(ちょっと語弊があるがな)。征服は、この税金を全部占領地から吸い上げる事によってはじめて達成される。

日本の場合、今年度は甲号歳入だけで800億もある。日本を征服すればこの800億がまとめて懐に入るのだ。これは美味しい。魔王が世界征服を目指すのも当然であろう。

しかし、これには一つ問題があってだな。占領した現地の住民に、征服前と同じように働いてもらう必要があるのだ。人間がいなければ、自動車の生産工場もただのハコである。だから、占領地の人間にはちゃんと働いてもらう必要がある。

勿論、占領地の人間を皆殺しにして、本国から出稼ぎ労働者を連れてきて働かせてもそれはそれで良い。


が、ここで元に戻る必要がある。魔王の軍事力は魔軍に支えられておる事は前述した。ではその魔軍はどういう連中によって構成されているか。答えは、DQNによって構成されているである。

何せ、ドラクエならスライムだとかその辺である。知能ほぼゼロの脳筋と言うか、むしろ脳あるのかという連中だ。どうせ魔界の一般大衆にしてもこんなのばっかりであろう。上級モンスターにもなれば頭が良い連中はいる訳だが、何せ少数派だ。

となると、出稼ぎ労働者として魔界の人間を連れてきても意味がない。人間と同じように働く事など考えられぬ。という事は、占領地の人間に働いてもらう必要がある。

しかし、だ。さっきも言った通り、魔軍はDQNによって構成されておる。占領政策がやんわりとしたものならば人間も「まぁしかたねぇか」と諦め気味に働くだろうが、何せ魔軍はDQNである。占領地では気分で人を殺したり、女を強姦したり、他人の家の財宝を勝手に持っていったりするに違いない。まぁ最後のは勇者もよくやってるがな。

これでは、占領政策が上手くいく筈がない。労働効率は下がりっぱなしで生鮮は落ち込み、最悪我慢しきれなくなった人間の暴動を引き起こす事になる。


魔王の弱点はこういうところにあるのではなかろうか。征服という行為を一度はできたとしても、それを保つシステムの構築が不可能なのだ。当然世界中から嫌われるし、一部の隣国を併呑できたとしても、その時点で世界中の国家が反魔王軍連合を結成してしまって無理ゲーになる。





で、ここまで考えてどっかの国に似てるなと思ったら、ロシア及び中華だった。

そりゃ無理だ。