今日は日本最低気温を記録した日で明治35年旭川で氷点下41℃を記録したという日。
そんな日でも-0.1℃からのスタートで15.5℃まで上がって今年最高気温を更新。
温かい日でした。
昨日までの寒さがウソみたいだったのですが、友人のブログにも霜の写真がUPされて
居たくらい寒かったものでした。
霜が出来るのは気温が4℃以下に下がり空気中の水分が徐々に冷やされて、きっかけになる
もの(核;コア)になるようなものに触れて積み重なるように成長して目に見える物になる
訳です。
水の分子は化学式で表すとほとんどの方がご存知のようにH2Oですね。
O;酸素は2本の手を持っていて H;水素は1本の手を持っている
から Oの両手にHが片手ずつつながると安定した形になっている
状態なんです。
この手をつなぐ角度が僕らが学生の頃は102°と言われていました。
炭素はその手が4本ありますから水素とつながるとCH4(メタン)。
2本の手の酸素と繋がるとCO2(二酸化炭素)という形で安定します。
この冬の時期、練炭などで一酸化炭素中毒を起こすのは空気不足で
不完全燃焼のCO(一酸化炭素)という不安定な物質が出来て、人間の
肺の中で人体に必要な酸素を自分の安定のために奪ってCO2(二酸化炭素)
に無理やりなろうとするために人間は酸欠状態になるからです。
脇道に逸れましたが炭素などが他の物質と手を結んで安定する角度は105.9°と
言われていました。
多角形の内角の和と言うのを覚えていますか? (n-2)×180° ですね。
それから正n角形の一つの角は (n-2)×180°/nとなって
正5角形なら108° 正6角形なら120°です。
それで水も炭素も安定状態に近い角度で結びつくのが一番楽なので炭素は右上のサッカー
ボールのような形、平面にすると6角形の蜂の巣状(ハニカム、ベンゼン環)になろうと
します。
雪の結晶構造が6角形や120°に近い形になっているのは水の分子が冷やされて安定した
形に固定しようとする極々自然な形なのです。
冷蔵庫の氷の様に決められた範囲の中で急激に冷やされると空気を含んだり安定した形に
なる余裕が無くて同じ水でも結晶化しませんが霜の様にジンワリと目に見えない状態の
小さな粒が時間をかけて冷やされると少しでも安定した状態で居ようとするので分子の
レベルで120°で隣ともくっつきあおうとするので6角形が生まれます。
だから針型でも羽毛型でも虫眼鏡程度で見ても良く見ると6角形を形成しようとした
形状(1つの角が102°~120°)で成長していくのです。
そんなことを考えながら霜を見るのも好きで、霜が誰も教えないのにまるで遺伝子に
導かれるように無機質といった壁を越えて伸びて行っているのにロマンを感じます。
人にこんな話をすると「風情が無い」と怒られます。
でもね、理系には理系の風情で霜も自然の植物も優しく見つめているんですよね。