ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

ぬしのみが

2016-10-21 04:28:59 | 






ぬしのみが 我の味方か 秋桜     夢詩香






*この世間ていうところでは、嫁っていうものが、一番馬鹿ならしいんです。

家族のためだって思って言ってるのに、だれも本気で聞いてくれないなんてことがある。どう考えても、正しいことを言ってるはずなんだけど、言ってるのが嫁だってだけで、なんだかみんなが本気で相手にしてくれないんです。

それでちょっとつらい思いをしたことがありました。

で、そのことが後でどうなったかというと、結局わたしがあのとき言ったことが正しくて、後でみんながわたしの言ったとおりのことをしたんです。そのときには、だいぶ手遅れになってましたけどね。まあまあなんとかなった。

あのときわたしが言ったときにしててくれれば、こんなにまで苦労しなくてよかったのにな、なんて思うけど。

家族はバツが悪いのか、それとも忘れているのか、何も言わない。わたしも別に何も言いませんが。

四面楚歌というほどではなかったけど、一人ぼっちの気がして、とてもつらかった。外でコスモスの花なんか見つめて、あなただけはわたしをわかってくれるよね、なんて思ったり。

別に偉そうにしたいわけじゃないのに。いいことをしてあげたいつもりで言ってるんですが、嫁の言うことを聞くってこと自体が、あまり好きなことではないらしいんだ。

ほかの家もそうなのかな。

嫁ってなんでしょうね。







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いすかんだるは

2016-10-20 04:27:35 | その他






除草剤 いすかんだるは 遥かなり     夢詩香






*子供の頃、宇宙戦艦ヤマトが好きでした。

映画がたくさん作られて、変な感じになってきてから見なくなったけど、一番最初のテレビシリーズはよかったですね。

ガミラスに攻撃されて、荒廃してしまった地球を救うために、ヤマトがコスモクリーナーをもらいに、イスカンダルに向かう。ガミラスとヤマトの戦闘シーンなんか、ドキドキして見ていました。

この近くに、いつも草が生え群がっている小さな空き地があって、そこをわたしは写真を撮るフィールドにしてるんですけど、いつだったか、その空き地に除草剤がまかれて、草が全部枯れてだめになっていたことがあるんです。

その空き地の持ち主がやってきて、まいたらしいんだけど、それを見たときは、かなりショックでしたね。慣れ親しんでいた草花が、一気にだめになってしまっていて。

除草剤はあまり好きじゃない。なんだか土を汚されるような気がして。

草刈なら、人間の汗も感じるし、草の匂いがしてそれなりにさわやかになるし、草の根も健康に残っているような気がしますけど。

なんだかガミラスが地球に打ってくる嫌なミサイルなんか思い出してしまった。ほんの小さな狭い空き地のことなんですけど。

今はその空き地もよみがえって、また緑の草や、なじみの花なんかがいっぱい咲いてくれていますけど。

除草剤ってどういうものなんだろうな。農薬なんかにも使われるらしいですけどね。あんまり使ってほしくないなあ。

アニメでは、イスカンダルが助けてくれたけど。もしこの地球がガミラスみたいなものに壊されたら、どうしたらいいんでしょうね。

そんなことをちょっと考えました。







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

我がもとに

2016-10-19 04:29:03 | その他






我がもとに 来しがつらきか 赤子泣く     夢詩香







*最初に生まれた子は、けっこう神経質な子でした。

抱いてあやしている間はいいんだけど、やっと眠ったと思って、ベビーベッドに寝かしたとたんにまた泣き始める。そんなことで、眠れない日々が続いていました。

赤ん坊が泣くたびに、自分が悪いのかと思って、情けなくなって泣きたくなる。おまえはわたしが嫌なのか。わたしが親なのがいけないのか、なんて思ったり。

子供は親を選んで生まれてきているとか、親を選べないとか、どちらも言う人がいるけど、本当はどっちなんでしょうね。

そういう時は、自分と、自分の親のことを考えてみたりします。わたしは、あの親を選んで生まれてきたんだろうか。

そうすると、なんとなく、自分は親を選んで生まれてきたような気がするんです。

わたしが生まれた家も、結構事情のある家庭で、わたしは子供の頃にいろいろつらい思いをしたこともあるんです。でも今思うと、あの家庭で、あの親を見て育ったことが、自分の人生に役立ってる。

曲がりなりにも今、自分の人生の舵をとれているのには、親が見せてくれた人生が、かなり参考になってる。

多分わたしは、自分の人生に役立つと思って、あの親を選んで生まれてきたんじゃないだろうか。そう思うと、なんとなく納得がいく部分があるんです。

この子はどうだろう。わたしを選んで生まれてきたんだろうか。そうだとしたら、何を求めて生まれてきたんだろう。

上の子は、今とても反抗的で、あまりわたしと話もしないんです。でもたぶん、あの子にも、何かの思いがあるのだろう。

きっとわたしの子として生まれてきたことが、あの子の人生に役立つんだろう。

そんなことを思うと、子育ての苦労も、なんとなく和らいでくるような気がします。







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なにゆゑに

2016-10-18 04:28:13 | 






なにゆゑに そこまで青き きうりぐさ     夢詩香






*また季節にあってない写真ですが。

キュウリグサは5月ごろに咲くんじゃなかったかな。2~3ミリの小さな花で、葉や茎をもむとキュウリみたいな匂いがするから、キュウリグサっていうそうです。

わたしはこんな小さな花が好きで。

米粒みたいに小さいのに、ちゃんと形はできていて、きれいな青い色が塗ってある。とてもきれい。

わたしも時々絵を描くことがあるんですけど。絵の具でも色鉛筆でも、こんな小さな花を描いて、青い色を塗ることなんてとっても難しい。でも自然の世界では、そんなことがごく当たり前にある。それが時々不思議でならない。

だれにこんなことができるんだろうって思う。

不思議な気がして、キュウリグサが咲くと、いつでもすぐに近寄っていって、ためつすがめつ見てしまう。

なんてきれいな青色なんだろう。

小さなものには、小さなものの、何かがある。小さいからこそ、何かができる、何かがある。

そんなことを思っていると、田舎で地味に働いている自分が、うれしくなったりする。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

泣くでない

2016-10-17 04:26:52 | その他






泣くでない 長き辛抱 するがよい     夢詩香






*前に、人生は忍耐するためにあるなんてことを言いましたが、実際ほんとに、あのとき我慢しておいてよかったなんてことが、たびたびあったんです。

つらかったけど、あのとき自分を我慢させたから、みんなを不幸にしなくてすんだって。

わたしの知っている人に、夫が自分に無断で借金していたということを知って、すぐに離婚しちゃった人がいるんです。3人の子供を置いて、実家に帰っちゃった。すごいなって思ったけど。わたしだったら子供を置いて離婚するなんてできない。

奥さんに出て行かれた旦那さんは、それからお母さんと協力し合って、働きながら何とか子供を育てていました。いろいろと苦労してたみたい。あまり詳しくは知らないけど、子供たちの目が、いつもすごく真剣で、とても大人びて見えた。

子供たちにあんな思いをさせて、あの人はつらくないのかな。今頃どうしているんだろう。ほかの人と結婚したりしているんだろうか。

わたしのところも、それなりの苦労はあって。離婚を考えたことなど何度もある。そのたびに、子供につらい思いをさせるよりは、自分が我慢する方がいいってほうを選んできた。

その我慢がつらすぎることもあったけど。

でも今では、あれでよかったと思っている。子供たちは反抗的だけど、あんな寂しそうな目はしていない。

子供が幸せじゃなければ、わたしも幸せになれない。

人間て、長い辛抱ができないから、不幸になるんだって、そんな気がします。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

死ぬる日は

2016-10-16 04:32:14 | その他






死ぬる日は このごときかと 昼寝しき     夢詩香






*ある日のこと、電話があって、知り合いのある人が死んだという知らせがありました。

突然のことで、びっくりしました。事故死だそう。とるものもとりあえず、お通夜に行って、死に顔に会ってきました。まるで眠っているようだった。死んでいるなんて思えなかった。

多分、まだ人生に未練があったからだと思う。まだ何も、自分のやりたいことがやれてなかった。つらいことばかりがあって、失敗ばかりしている人でした。それが突然、不慮の事故で人生を終わってしまう。本人はとてもつらかったのだと思う。

それからしばらくして、日常が戻って来て、ぼんやりと昼寝なんかしている時に、死ぬのってどんな感じなのかって考えてみる。そんなことって、たぶん誰にもあると思う。

息が止まって、心臓が止まるのって、苦しいんだろうか。今、眠っている間に死んでしまったらどうしよう。

死ねるわけがない。子供も夫もおいて、自分が死んでしまったら、どんなことになるだろう。だれが、家族のために主婦業をやってくれるだろう。ご飯を作るのも、洗濯物をたたむのも、誰かがやってくれなければ、みんなが困る。

まだやりたいことだって、たくさんある。

つらいことはたくさんあるけど、人生は大切だ。まだ死にたくない。

生きていたい。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身代は

2016-10-15 04:31:00 | 






身代は ボタンインコと 月明かり     夢詩香






*学校を卒業してからしばらく、県外で働いていたことがありました。

見知らぬ土地で、一人で暮らすのが寂しくて、ペット屋さんに行って、小さなインコを買ったのです。初めてもらった給料で、一番先に買った自分のものがそれ。鳥かごと、餌といっしょに、1歳くらいのかわいいキエリクロボタンインコを買いました。

ほんとはセキセイにしようと思ってたんだけど、ペット屋さんであの小鳥を見た途端にほしくなって、予定より高くついたけど、買ってしまった。

若いころなんて、威勢がいいけど、ほんとは何も持っていない。自分の財産と言えるものなんて、ほんと、あのインコだけだった。

当時流行ってたアニメのキャラの名前をつけて、かわいがっていました。

県外で働くのは、予想以上につらくて、わたしはすぐに挫折して、故郷に帰りました。故郷に向かう新幹線に、鳥かごを持って乗った。田舎に戻って、子供のころから知ってる風景を見たとき、なんだか染みるほどうれしかったことを覚えている。

それからしばらくして、地元で働き口を見つけて、その時出会った夫と結婚して、お嫁に行くときも、インコを連れていきました。ずっといっしょだった。

でもある日、家の掃除をしようと、しばらく鳥かごを外に出して置いたら、そのすきに猫に襲われたらしくて。気づいたら、かごが下に落ちていて、もうインコはいなかった。食べられてしまったのか、それとも空に逃げてしまったのか。あれっきりわからない。

妙に突っ張ってて、友達が少なかったあの頃のわたしにとって、一番の暖かい友達だった。だから今でもはっきり覚えている。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かひなきも

2016-10-14 04:29:08 | 






かひなきも けふのこごとを 捧ぐ花     夢詩香







*言っても無駄だとわかってても、言うことはありますね。

そんなにはっきりとは言わないんだけど。そんなことしたら、ちょっとまずいことにならない、なんて感じで、やわらかく言うことはある。

けど、気持ちが伝わることはなくて。

うるさがられるから、小言を言うのは極力控えているんだけど。

でも、長い目で見たら、結局わたしの言ったとおりになってる。本人ももうわかってるみたいだけど、認めたくないから、何も言わない。

わたしも別に何も言わないけど、変わらないんだなあ、この人は、ってことは思う。

まあ、人生っていうのは、忍耐するためにあるものですよ。

カメラを持って、外に出かけて、花の顔の写真ばかり撮っていると、花がなんとなく何かを言ってるような気がするときがある。

何かを責めているような。何を言ってるのかわからないけど、人間を責めているような気がする。

なんで人間はそんなことをするの。そんなことをしたら、とても苦しいことになるのに。そう言っているような気がする。

きっと今はわからないだけで、人間は、ほんとにたくさん、花が悲しむようなことをしているんだろう、と思う。








  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

過ぎかてぬ

2016-10-13 04:26:51 | 






過ぎかてぬ えのころぐさの さやぎかな     夢詩香






*「過ぎかてぬ」は「素通りできない」という意味の古語です。

写真は近所の野原のえのころぐさの草むらです。光が透いて、金色に光っているようで、とてもきれいでした。

何気ない草むらにも、いつも何かとてもいいものがある。風に揺れているえのころぐさを見ていると、何か不思議なことを話しあっているようにも見える。

ことばは人間だけのものじゃない。心を表せるものは、音や文字だけじゃない。そういう気がする。

色や光や動きで表現できる心もある。

そんなのがわかれば、きっと深い世界を知ることができるだろう。

えのころぐさの世界はどんな世界なのかな。しばらく見入って、聞いてみたい気がする。でもわからなくて。

しばらく見とれたら、またわたしは自分がわかる世界に帰っていく。でもさっきのえのころぐさの草むらがくれた光は自分の中に残っていて。

子供に、いつもよりもやさしい声をかけることができたりする。







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

つかの間の

2016-10-12 04:30:05 | 






つかの間の 逢瀬をたのむ ひたきかな     夢詩香






*うちの近くには、毎冬、ジョウビタキがやってきます。センスのいい紋付を着ているきれいな小鳥。

昨日あたりから急に寒くなって来て、長そでを着ています。冬も近いから、もうすぐ今年も会えそうですね。

何年か前、しばらくとてもつらいことが続いた日々がありました。いろいろあって。あんまり言えないけど。人生、こんなことがあるんだなってことがいっぱいあった。

そんなある日、家の門柱に、一羽のオスのジョウビタキが来てくれたのです。それを見たとき、はっとするほど、うれしかった。

誰にも認めてもらえない努力を、必死に続けていた。周りの人には誰にもわかってもらえなくても、やらなくちゃならなかった。

そんな時に、印象的な小鳥がそばにきてくれると、まるで、神さまが自分をわかってくれたような気がして、ほとんど涙がこぼれそうになるほどうれしかった。

近づいて行ったら、ひたきはすぐに逃げてしまったけど。

あれが今でも忘れられない。

いいことはあれだけだったっていう、日々だったな。

写真はヤマトシジミです。この前のつつどりのときもそうだったけど、鳥の写真なんて今はまだとても撮れないので、ちょうちょの写真で代用です。

虫もだんだん少なくなってきますね。そろそろ冬着を出さないといけないな。





深まりて 空気の縮む 秋の朝     夢詩香







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする