ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

三つ星の

2016-10-11 04:28:39 | 






三つ星の まなかの星は つらからむ     夢詩香







*わたしは、3人兄弟の長女でした。年の近い兄弟で、みんな団子みたいにじゃれあって育ったけど、小さい頃はいつも、真ん中の妹が、上にも下にもいじめられて、つらそうでしたね。

大きくなってきたら、そういうこともしなくなったけど、ごく小さい頃っていうのは、動物みたいなもんですから、一番弱い子が、一番つらいことになるもので。

クリスマスにもらった人形を、妹のと無理やり替えてもらったこともあったな。
わたしがもらった人形は、茶色の髪をしていて、妹がもらった人形は、金髪だったんです。
それがうらやましくて、なんかの言い訳を押し付けて、無理に金髪の人形を自分のものにしたことがある。

妹はすごくつらそうでした。

大人になっても、ごめんは言ったことはなかったけど。時効みたいなことになって、今更言うのもなんだよなってことになって。

妹はわたしより先にお嫁に行きました。それから遠いところに行ってしまったので、なんとなく疎遠になってしまった。
年賀状のやり取りはするんだけど。

子供の頃のことが、響いているのかな。

お互いに年をとって、柔らかくなってきたら、あの人形のことを謝りたい。覚えてないかもしれないけど。



ところで、オリオン座の三つ星にも、それぞれ名前があります。向かって左端はアルニタク、右端はミンタカ、真ん中の星は、アルニラム。

もう秋が深まってきましたね。もうすぐ宵の空にオリオンの三つ星が見えてくる。

空に三つが仲良く並んでいるのを見るのは、なんだかうれしい気がしますね。






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つつどりの

2016-10-10 04:29:05 | 






つつどりの 子はどの親の 夢を見る     夢詩香







*つつどりは、托卵をすることで有名ですよね。要するにほかの鳥の巣に卵を産んで、自分の子を他の鳥に育ててもらうっていう。

そんな横着をすることを、なんで神さまが許してるのかって気もするんですけど。

神さまがつつどりにバチを与えないことからすると、何か大事な意味があったりするのかなって思う。

つつどりが卵を産みこむのは、センダイムシクイとか、アオジとか、ビンズイなんかの巣らしいです。どれもつつどりより小さい鳥で。なんだか騙された方の親は、自分の子がずいぶんと大きいのがうれしいらしくて、一生懸命に育てるらしい。

そんなつつどりが大きくなって、一体自分の親は誰だと思っているんだろうなっていうことを想像してみる。

むろん、本当の自分の親になんて、会ったことないに違いない。

やっぱり、親の夢を見るときは、一生懸命に食べ物を運んできてくれた、センダイムシクイやビンズイやアオジの夢を見るんじゃないだろうか。

なんでつつどりは自分で自分の子を育てないんだろう。そりゃあ大変だけど。どんなにがんばったって、子供が親を大事にしてくれるとは限らないけど。

それでもいいやって思って、やってるのが幸せだって、思うようになれるのが、いいんだけどな。









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まよひは

2016-10-09 04:43:57 | 






ぽらりすの まよひはわづか なるがよい     夢詩香







*ぽらりすはもちろん北極星のことです。子の星(ねのほし)という言い方もあるんだけど、ぽらりすとひらがなで言った方がいい感じがしたので、そうしてみました。

北極星は動かないものとされてるけど、ほんの少し、天の北極からずれているから、見てもわからないくらいに、ちょっとだけ動いているそうですね。

でも、みんなが北極星を目印にしているのは、その動きがほんとにわずかだからで。ほとんど動かないのと同じだから。

迷うことなんて、誰にでもあることだけど、そういうのは、ほとんどすぐにやめたほうがいいっていうのが、わたしの持論です。
迷ってあれこれ考えたって、疲れるだけだ。

何が本当のことなんて、ぐじぐじ考えているだけでは、わからない。だったら、今自分がいいと思っていることが、いいんだと信じてやるしかない。

それが間違っていたら、きっとどこかで壁にぶつかるだろうから、それはそのとき考えればいいことなんだ。

で、今もそういう自分を信じて、いろいろとやってる。

星は好きです。句に詠むために、色んな星の名前を憶えています。おもしろい星の名前がたくさんあります。

アルシェマリは、獅子座のμ星の別名です。ほとんどの人は知らない。とっても小さな星。でもこの空のどこかに確かにある。そんなのを集めるのが好きです。






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同じ駒

2016-10-08 04:28:25 | 雑句






まよひては けふもきのふと 同じ駒     夢詩香






*これではいけないと思いつつも、結局は今日も同じ手を使うんだなってことです。

人間て、なかなか変われないみたいだ。

テレビなんか見ていても、目新しいことは何もない。今の社会がいけないっていうんなら、自分も変わればいいのに。
そういうことをやったり言ったりする人はいない。

結局は同じことを、手法を変えながらやっているだけで。

まあそんなことを思いながら詠んだものです。

自分を変えるっていうことは、結構簡単なことですよ。

できないっていう塀を超えて、やってみるのです。それは、本屋さんで古語辞典を買うなんてことなんだ。

わたしが俳句を詠めるようになったのも、本屋さんで、古語辞典を買ったからなんです。この一冊がパートナーになってくれたおかげで、おもしろい句がいっぱい詠める。

勉強って楽しい。古文の勉強なんて難しいからできないよなって思って、何にもやらないと、いつまでも同じことしかできない。

おもしろいことをして、おもしろい人間になりたいのなら、これくらいはやらないと、ていうことは、やらないとだめだと思うのです。

昨日とは違う駒を、進めてみる。

それって結構簡単なんだけど。なんだか人はいつも、昨日と同じ駒ばかりいじってるんだ。





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名を負ひし

2016-10-07 04:28:57 | 






名を負ひし へくそかずらの 誇りかな     夢詩香






*へくそかずらっていうのは、6文字だから、真ん中の7にしか入りませんよね。それ以上作りようがないから、存在感そのもので、詠むしかありません。

ツルニンジンとかキンモクセイなら、字余りにしてもそんなに苦しくないですけど。伸ばす音とか撥音とかは、半分消えている感じがするから。でもへくそかずらだと字余りにしたら、ちょっと苦しい。

季語なんか気にしないでやってるんですが、文字数には結構こだわるんです。

へくそかずらの花はとってもかわいいけど、草刈なんかの時に、誤って刈ると、とんでもない臭いがするらしいですね。やったことはないからわからないけど、経験者はそこから逃げ出したくなるほど、ひどい臭いらしいです。

でも、その名前があんまりにひどいんで、ほかにサオトメバナとかいう別名もあるんですけどね、そっちのほうは、あまり流行ってないみたい。

へくそかずらっていうほうが、強烈で、なんとなく花の雰囲気に合っているような気がする。かわいいけど、なんだか、余計なことをしたら痛烈な一撃をかえされそう。

実際、名前を聞いて、その由来を知ったら、誰もこの花を摘んだり刈ったりしないだろうし。それで、いろんなところに生え群がっているんだと思う。

弱くてはかなそうに見える花にも、何かがあるんだ。簡単に踏みにじったりしたら、時々痛い仕返しをされる。

へくそかずらは、サオトメバナよりも、へくそかずらの方がいいって、自分で自分の名前を選んでいる気がします。

そっちのほうがほんとの自分に合ってるって感じで。








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しらつゆの

2016-10-06 04:28:21 | 






しらつゆの たまのうれひを 知るふやう     夢詩香







*「しらつゆの」は「たま」とか「おく」にかかる枕詞です。こういうのって、短歌には使っても、あまり俳句には使わないのかな。でもわたしは、時々使います。「たま」は「玉」と「魂」にかけてあります。

今は俳句が主だけど、短歌も時々詠みます。

同じ日本語の定型詩でも、31文字と17文字では違いますね。わたしの感覚では、短歌は恋愛気分を歌うのに向いてる、俳句は人生の機微を歌うのに向いてるって感じです。

で、この句には、短歌版もあったりします。


しらつゆのたまもおののくはつこひの胸にこごるを秋草は知る     夢詩香


「秋草」は秋に咲く花のことで、ここではもちろん芙蓉のことです。いや、別に初恋の思いが自分の中にあったわけではないんだけど、短歌だと、初恋って言った方がおもしろい気がしたので。

写真の花は、いつもスーパーに買い物にいく途中で会う花です。毎日のように挨拶しているうちに、特別な花になってしまいました。

芙蓉の花はほかにもたくさん咲いているけど、この花はなんだか、わたしのことをよく知ってくれている気がする。

きっといつも、わたしのことを見てくれているんだろう。

だから写真に写しても、ちょっとつらそうに写るんだと思う。









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手が足りぬ

2016-10-05 04:27:47 | 






世の花を すべて見るには 手が足りぬ     夢詩香






*写真は、この近くに咲いているフウセンカズラの花です。空き地の草にからまって、たくさん咲いています。

花の写真を撮るときに思うのは、フウセンカズラでもツユクサでも何でも、同じ花を何枚も撮ってしまいたくなること。どれもきれいで、ほかとは違う花で、撮らないと惜しい気がする。でもまあ、ブログにあげる写真は、一枚くらいなんですけど。

このフウセンカズラも、いっぱい咲いて、どの花も表情が他と違って、どれにもほかとは違う美しさがあって、見ていると、全部の花を撮ってしまいそう。でもそんなことばかりしていると、ほかの花の写真が撮れなくなるから、いつも思いをちぎって、次の花を見にいくんですけど。

今見逃した花には、きっと永遠に会えない。すごく惜しいことをしたような気がする。

きれいな花はみんな見てみたい。でもそんなことは絶対に無理。きれいな花は、たくさんありすぎる。

今日の花は終わっても、また明日は違う花が咲く。同じ花でも、今年の花は去年とは違う。きっとまた来年も、今年とは違う花が咲く。そのたびに、全部見てしまいたくなる。

森や山の奥で、人間が誰も見られない花も、きっとたくさん咲いているだろう。その花は誰が見ているんだろう。誰も見てくれなくても、きっとまじめに咲いているんだろうな。

どんなに人間がたくさんいても、世界中の花を全部見つくすことは、できないんです。








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芋の皮

2016-10-04 04:29:00 | 雑句






捨ててよし 威張る亭主と 芋の皮     夢詩香






*なんでこんな句を詠んだのか、その時の状況は覚えていないんだけど、まあ結婚してれば、犬も食わぬようなことは、しょっちゅうやってますから。

玉ねぎの皮には、使い道があるんだそうですね。煮だしたお湯で生成りの毛糸を染めると、玉ねぎ色のセーターなんか編めるそうです。

林檎の皮は、アップルティーなんかに使えるし、蜜柑の皮は、干してお風呂に浮かべたりすることもあるらしい。

でも芋の皮には、使い道はなさそうですね。即生ゴミです。瓜の種みたいにもったいない気もしない。

男の人ってどうして、いらんことで偉そうにするんでしょうね。馬鹿みたいって思うことがある。そんなことで偉そうにするから、みんなが困るのに。

芋の皮みたいに軽く捨てられたら、楽なんですけどね。

まあ、表面はええそうですかと言って引き下がりますけど、女房は影でこんな句を詠んでたりするんです。

傑作ですね。自画自賛だけど。








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殺生は

2016-10-03 04:28:02 | 







殺生は これがきはみと 蚊をつぶす     夢詩香







*わたしの知っている人に、本当に、めったに虫も殺せないような人がいるんです。ゴキブリも殺せないそう。

ある日、その人のお父さんが、川でたくさん鮒を釣ってきて、煮つけを作ってくれと頼まれたそうなんです。で、その人は、生きてる鮒がどうしても殺せなくて、すごく困ったそう。

まな板の上の鮒を見て、包丁で刺そうとしたら、痛いだろうなって思うとどうしてもできなかったって。

それでどうしたのって尋ねたら、なんとそのまま冷蔵庫に入れちゃったそう。そしたら次の日も、鮒は冷蔵庫の中で生きてたそうです。それって、かえって鮒は苦しいんじゃないのっていったら、しゅんとしてました。

それから何かの事情で話が変わったから、彼女が鮒の煮つけを無事に作れたかどうかは知らないんだけど。

その人が、殺してもあまり気がとがめないのは、蚊くらいのものですって。蚊だったら、躊躇なくすぐにたたくことができるそうです。

確かに、蚊はいやですよね。かゆいし、ぶーんとうなって近寄ってくるときの不快なことといったらない。

そんなことで、こんな句ができました。









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長月の

2016-10-02 04:27:15 | 






あさがほの 長月の種 蒔くなかれ     夢詩香






*長月は終わりましたが、今日はこれをあげてみました。この近くでは、まだアサガオは咲いています。

まあ要するに、アサガオの種は9月に蒔くなっていうことなんですけど、実際わたし、こんなあほなことをやったことがあるんですよ。

それも、大人になってから。何を思ってそんなことをやったのか、今ではわからない。ただわかってるのは、そのときはとってもつらい時期だったってこと。

いろんなことが続いて、心が疲れてくると、人間て、時々馬鹿なことをやるらしいんです。9月に蒔いたアサガオの種は、それでも一生懸命に芽吹いてくれて、本葉が出るところまで来ました。

でもその頃に、急激に寒さが来て、アサガオは寒さに負けて枯れてしまった。

後悔しても遅い。悪いことをしてしまった。

秋に蒔いたアサガオの種が、見せてくれた青い葉っぱが、とってもきれいだったことを、今も焼き付いたように覚えている。

もう二度と、アサガオを秋に蒔くようなことはしません。







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