ぬしのみが 我の味方か 秋桜 夢詩香
*この世間ていうところでは、嫁っていうものが、一番馬鹿ならしいんです。
家族のためだって思って言ってるのに、だれも本気で聞いてくれないなんてことがある。どう考えても、正しいことを言ってるはずなんだけど、言ってるのが嫁だってだけで、なんだかみんなが本気で相手にしてくれないんです。
それでちょっとつらい思いをしたことがありました。
で、そのことが後でどうなったかというと、結局わたしがあのとき言ったことが正しくて、後でみんながわたしの言ったとおりのことをしたんです。そのときには、だいぶ手遅れになってましたけどね。まあまあなんとかなった。
あのときわたしが言ったときにしててくれれば、こんなにまで苦労しなくてよかったのにな、なんて思うけど。
家族はバツが悪いのか、それとも忘れているのか、何も言わない。わたしも別に何も言いませんが。
四面楚歌というほどではなかったけど、一人ぼっちの気がして、とてもつらかった。外でコスモスの花なんか見つめて、あなただけはわたしをわかってくれるよね、なんて思ったり。
別に偉そうにしたいわけじゃないのに。いいことをしてあげたいつもりで言ってるんですが、嫁の言うことを聞くってこと自体が、あまり好きなことではないらしいんだ。
ほかの家もそうなのかな。
嫁ってなんでしょうね。