われになき われをつくりて きぬのごと かづきつつまふ ことひとのむれ
*「ことひと」は「異人」、他人、関係のない人、という意味の古語ですが、ここではそれに、現代語の意味も引いて、どこともしれない外国の人、という意味もこめられています。要するに、わけのわからない、理解できない人たち、というくらいの意味です。
「かづく」は「被く」、文字通り、かぶるという意味ですね。
自分ではない自分を作って、それを衣のようにかぶって踊りを踊っている、わけのわからない人々の群れがいる。
これを書いているのは、ワールドカップが行われている最中です。人々は日本がセネガルと引き分けたということで喜び踊り狂っている。わたしたちはそれを、いつまで馬鹿をやるつもりなのかと冷ややかに見ている。
あそこにいる人たちは、みな偽物なのです。人から盗んだものを自分につけて、かっこいい自分をつくり、バックの霊界にいる霊に自分の活動をやらせて、いっぱしのいい人間に見せている。だが本人は肉体の主宮にいるだけで、ほとんど何もやってはいない。
嘘でつくった自分を本当の自分と思い込み、いやに誇らしげに走っているが、真実が見える人間には、みっともない嘘が恥ずかしく見えている。
目付きを見れば人間のレベルがわかる。本当の姿がわかる。小さい人間が、無理矢理自分を大きくして、つくられた舞台の上で英雄を気取っている。そのさまがおそろしくみじめだ。
いずれあれらはそのまま馬鹿になるでしょう。見破られたらおしまいの嘘がもう見破られている。おそまつな正体をあらわにし、どんどんしなびていくだろう。
そして、ほんとうの自分がどんなものか、やっと知ることができるだろう。人間以外の者に落ちた自分の真実を、知ることができるだろう。
人類はもう本当の世界に戻っていく。それは抗いようのない流れです。美しいものがない世界では、人間は生きていけないからです。そしてその流れの中で、嘘はどんどん滅びていくのです。