野の月を 恨みつくして 消しつるを 悔いもかたなき 人の愚かさ
*「かたなし(形無し)」とは、跡形もないとか、効き目がないとかいう意味です。容姿が醜いとか汚いとかいう意味もあります。どちらにしろあまりいい意味ではない。
野の月と呼ばれるあの人を、恨みつくして消してしまったことも、今更に悔いても効き目もない、人の愚かさであることよ。
古い言葉では、どうしようもない、という感じになりますね。四文字で痛い意味を込められるので、覚えておいて損はないでしょう。
四文字以下で強い意のある言葉はできるだけおさえておいたほうがよいです。別に苦しむことはない。人間の記憶力というのは結構たよりになるものだ。印象的な語句に出会うと自然に覚えているものです。
勉強とは積み重ねです。こうして何げなく文章を読んでいるうちにも、いろいろな言葉が自分に染み込んできます。そして力がついてくる。かたなしということはない。ちゃんと形はついてくるものですよ。なんでも自分でやってみることがみそだ。
ただ何にも勉強しないで、馬鹿なことをやりすぎて、取り返しがつかないことになってしまってから、悔いるのでは遅い。正しいことはむさぼるほどに勉強していき、自分を高めていきましょう。そうすれば、後で悔いることが少なくなる。
あなたがたがかのじょを消してしまったのは、ほんとうの美女というものがどういうものであるかをまるで知らなかったからでした。そして美女というものに出会ったらどうすればいいかもまるで知らなかったからでした。
美しい人がどんな美しいことを考えているかが、わかったら、もう二度と同じ過ちはしないようにしましょう。そして再び同じ試練が来た時、正しい態度をすることができたら、あなたがたの勉強はかたなしではなかったということになります。