ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

たいたん

2017-08-30 04:19:01 | 短歌





まぼろしの おほき身を持つ たいたんは おのれをしらぬ ころの人の身





*古語を用いて詠むことが多いですが、やはりわたしたちが生きているのは現代ですから、現代人が知っている言葉もよく使います。

タイタンは、ギリシア神話のティターンの英語読みですね。ウラノスとガイアから生まれた巨神族です。オリンポスの全能神ゼウスの親の世代に当たります。

神話では詳しい設定が読み取れませんが、非常に大きい種族らしい。大昔の人間は、このように、自分をものすごく大きなものだと思っていた、ということです。

そういうことはあなたがたにも分るでしょう。幼児的万能感というものがありますね。子供のころには、みな自分は何でもできると思っている。自分というものを、ものすごく大きく感じている。

何も知らないからです。自分というもののほかは、ほとんど何も知らないからなのです。

しかし子供も大きくなっていくうちに、色んな事を知る。いろんな人を知る。自分より大きな人や強い人がたくさんいることを知る。そうすれば、子供のころに思い込んでいた自分のことも、だいぶ修正されて来る。社会の中で生きていくうちに、だいぶ自分の本当の姿が分かって来るのです。

タイタンの伝説は、人類史におけるそういう経験が投影されていると思えますね。昔の人間はとても大きかったのです。とても偉そうだったのです。自分が自分だというだけで、とても偉いと思い込み、色んな人に偉そうにしていたのです。

そういう性質が、今も残っていないとは言えない。馬鹿な人間は未だに、自分が一番偉いと思っている。そして実に偉そうにしている。人を馬鹿にして平気でいられる。

タイタンのように自分が偉く大きいものだと思っているようだ。

しかしいつまでもそんな幼稚なことを考えていては、いずれみんなに嫌われてしまう。もう人間はそんな子供じみたことを捨てて、大人になっていくからです。

本当の自分の姿というのに目覚めないと、もう人間世界についていけなくなりますよ。






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