ようさんの山物語(ブログ版)

山遊び人ようさんの山行記録

水浴び、水浴び、たまに歩き、そして雪風呂

北ア南部・穴毛谷~笠ヶ岳(2898m)

2012年08月20日 | 沢登り
2012年8月19日

天候:朝;曇り時々晴れ
   昼;曇り時々雨
   夕;曇り

お盆休み第1弾、2弾とゆるゆる山行であった。
そこで締めはちょいとピリッと行きたいなと思い、頭の中にある数あるプランから選んでみた。
と言うことで、Walter Weston シリーズ第1弾、昔あった登山道シリーズ第3弾!
と勝手にシリーズ化して楽しんでおります。
Wakter Westonは、ご存じの通りJapanese Alpsを世界にその存在を知らしめた方です。
穴毛谷の初登は、1894年にこの一行が行ったとされています。
雪のある時期は恐怖の谷も、この時期には比較的安全に行くことが出来ます。
ただし、沢登りなどの技術やルーファイは必要です。

さて、前日は速攻に就寝し夜中に起床して一路新穂高温泉に向かいます。
ゆっくり準備していたので出発は5時過ぎになってしまいました。
かろうじてヘッデンはいらない感じです。
林道のゲートから15分ほどで左俣谷から穴毛谷の堰堤工事で使った橋があります。
そこを左へ。これが一番効率的に穴毛谷へ入れます。


林道と橋の分岐

橋を渡っていくと、第4堰堤に着きます。これはそのまま道を進みクリア。
ここで右岸に渡った方がいいかもしれません。その後が楽です。
この辺で沢装備に変換。


堰堤と一ノ沢

第3堰堤は倒木を使って越えます。第2堰堤は右の3級-程度の岩場を登りました。
第1堰堤は、ヤブ漕ぎ高巻きでした。
右岸に渡ればこれらは楽に歩いていけるでしょう。


穴毛谷始まり

始まりは、右岸台地に小屋があった所ら辺です。ここでスタートから1P。
ここで右岸へ渡り、ゴーロを行きます。徐々に廊下になっていきます。
後ろを振り向くと焼岳が朝日を浴びてきれいです。


朝日浴びる焼岳

次の1Pは、四ノ沢出合。この出合が一番でかいのでわかりやすい。


四ノ沢出合

右の谷が本谷である。


四ノ沢

四ノ沢右俣が、笠ヶ岳本峰へ行っている。
本谷方向へ行くと昔の登山道の名残のペンキの矢印があった。
#*

昔道の名残

四ノ沢を過ぎて少し行くと右手に大きな岩穴がある。
これがこの谷の名前の由来ともなった岩穴である。結構でかい。


岩穴

さて、五ノ沢も近づくと先程から見えていて嫌な感じの雪渓があった。
これは行けるか近づいてみなければわからない。


五ノ沢出合の雪渓

何とか左側がかろうじて行けそうだ。
アイゼンあれば上がれそうな所もあった。
左側のグズグズのガレを上がる。途中、雪渓をくぐるがいつ落ちてもおかしくないので速攻通過。
そこを通過すると五ノ沢に出る。


五ノ沢

五ノ沢を横断して、雪渓の際を下降し本谷へ下りるという感じで進む。


本谷と穴毛大滝

大滝が壁から落下している。その先に見えるガレ沢を行く。
このガレ沢をザイテンタールと言うそうだ。


穴毛大滝その1


穴毛大滝その2

ガレ沢は、非常に浮き岩多く慎重に登った。本当によく動くよ。


ガレ沢上部

これをほぼ最上部付近まで詰める。左の小尾根の行けそうな所から乗越。
ヤブを漕いでトラバース気味に行き下降すると草付きに出る。
ちょうど七ノ沢出合の上に出た。本谷は10m位の滝がかかっていた。
そのまま高巻いてしまおうかと思ったが、本谷に下りて七ノ沢を少し登り高巻く。
この滝は階段状で左壁行けそうであったが。


高巻き中に本谷方向

あとは小滝をいくつか越えて行くと杓子平のカール状草原に出た。


杓子平

ちょうど中腹部の登山道には多くの登山者が見られた。
ハイマツなどのヤブ漕ぎしないように少し行くと池があった。


杓子平の池

ここで一服。チングルマも咲き非常に気持ちの良い所であった。
そこから草地を上がると登山道にぶつかる。


チングルマ


笠新道

笠新道を上に行く。多くの方が下山して行った。
この先からがキツイ登りとなる。


抜戸岳への登り

この上で2800m近く。恐れていた高度障害が出始めた。
これが出るとなかなかスピードが出ないし、ツライのである。
それでもガスが出てきた中、縦走路を笠ヶ岳へ向かう。
当然、途中の各西の谷の偵察もしているが、ガスが出てきてままならない。
結構飽きてきた頃、テン場に出る。そしてそこからモレーンの中を行くと小屋が見えてきた。


笠ヶ岳山荘

この頃雨が降ってきた。幸いゴロゴロ君は来ていないので助かる。
雨具を着て山頂へ向かう。


小屋から見た山頂


山頂の祠


山頂

やっとこさ山頂である。一人きりなので一通り撮影してすぐに下山する。
時間も13時前なので簡単に小屋のところで休憩してから出発する。
先ほど一張りもなかったテントも続々と到着して3張り張ってあった。
沢のツメまでは順調であったが、高度障害出始めてからは遅々として進まず。。。
薬飲んで高度を下げてきた頃には少しは調子も出てきたが。


ミヤマトリカブト

縦走路では多くの登山者とすれ違う。
下山者は私が最終便であるが、杓子平で夫婦に追いついた。
あとは飽きる下山路をひたすら下りる。
17時半にやっと林道に飛び出した。実に12時間行動であった。


笠新道入口

おいしい水をここでいただき、林道を行く。
18時前に多くのおじさんおばさんとすれ違う。この時間に行く所はワサビ平小屋か?
18時過ぎにやっと車の所へ。久々に12時間オーバーのキツイ山行となった。
やはり笠は日帰りキツイね~
帰路は平湯の森で汗を流し、片付けもせずにバタンキューのピリッとした山行でした。

さて、今週も仕事ガンバって今度は西面の沢か~
あと、笠谷行けば播隆上人シリーズも出来るか!?それも企画してみよう。