チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

190219裏 小包第1期オーストリアからスロヴェニア宛て国際小包、バイセクト

2007年09月28日 22時39分39秒 | 小包第1期
190219裏 小包第1期オーストリアからスロヴェニア宛て国際小包、バイセクト

到着印:WINDISCH FEISTRITZ 21 2 19 (1919年2月21日)
通知料金5vinar:スロヴェニア普通切手10vinar(Mi.101石版)を横にバイセクトした上側を貼り付け、PORTO(不足を意味する)をハンドスタンプで加刷せずに貼り付け、普通切手のバイセクトを不足切手として使用しています。
WINDISCH FEISTRITZ * 26 2 19 (1919年2月26日)で消印
受取人サイン日付:1919年2月25日
備考:WINDISCH FEISTRITZはドイツ語の地名であり、これは後にスロヴェニア語のSLOVENSKA BISTRICAだけが使用されるようになります。

190219 表 小包第1期オーストリアからスロヴェニア宛て国際小包、バイセクト

2007年09月28日 22時38分42秒 | 小包第1期
190219 表 小包第1期オーストリアからスロヴェニア宛て国際小包、バイセクト
第1期、オーストリアからスロヴェニア宛て国際小包
小包送票:オーストリア帝国12heller(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語、白紙
小包ラベル:Wien 53 761
切手:オーストリア30heller(Mi.224)、90heller(Mi.198)、合計120heller
料金手書き:右下に5heller (通知料金)
料金計算:
重量料金5kg---100heller
価格表記(保険)料金40K---10heller
代金引換料金32K12h---10heller
合計120heller (貼り付け切手と一致)
通知料金はスロヴェニアで受取人から徴収。この時期のオーストリアの小包料金は、旧オーストリア帝国の料金がそのまま適用されました。オーストリアからかつてのオーストリア帝国領のスロヴェニア宛ては、オーストリア国内料金と同一でした。
消印:4 WIEN 53 19. II. 19 *a*(1919年2月19日)

190214裏 小包第1期オーストリア+スロヴェニア混貼、かさばる小包、返送、小包私書箱保管料金

2007年09月28日 22時37分47秒 | 小包第1期
190214裏 小包第1期オーストリア+スロヴェニア混貼、かさばる小包、返送、小包私書箱保管料金

小包送達および返送経路の解析
(1)発送:MARBURG an der DRAU 1 14. II. 19 -4 4e (1919年2月4日)
(2)中継:ドイツ語名Steinbrück(スロヴェニア語名Zidani most)、鉄道郵便の路線の乗り換え。
(3)到着:ZAGREB 919 FEB. 15 -N1 W2W (ZAGBEB 2郵便局1919年2月15日)、ハンガリー形式の郵便印をそのまま使用。
(4)ZAGBEB市内をZAGBEB 2郵便局からZAGBEB 1郵便局へ転送
(5)転送到着:ZAGREB 919 FEB. 18 –N8 d1d (ZAGBEB 1郵便局1919年2月18日)、ハンガリー形式の郵便印をそのまま使用。
(6)ZAGBEB 1郵便局で赤色で返送retourを記載、ハンガリー形式のかさばる小包を表示するラベルTの貼り付け。
(7)返送到着:MARBURG an der DRAU 1 18. III. 19 -3 4b (1919年3月18日)
ZAGBEB 1郵便局で30日間保管していたと考えられます。
(8)スロヴェニア普通切手10vinar(Mi.101石版)に、ハンドスタンプ黒色のPORTO(不足を意味する)を加刷して貼り付け、MARBURG an der DRAU 1 18. III. 19 -6 4b (1919年3月18日)で消印。小包私書箱の小包の保管に対する小包1個当たりの料金と考えられます。
備考:
第1期小包料金の項でご紹介した文献(5)の著者Dr. Helmut Kobelbauerは、「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した」としています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例を示し、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入している例を紹介しています。また、Dr. Kobelbauerは、「商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しない」と記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。
今ご紹介している使用例で、受取人は、自分の氏名と居住都市の名前のハンドスタンプを使用していますので、多量の小包等の郵便物を受け取る商人であると考えられます。

(9)小包引渡し印:MARBURG…. 31. III. 19 4d (1919年3月31日)
(10)受取人サイン日付:1919年?月31日
備考:受取人から徴収する規定となっている返送小包の返送料金に相当する不足切手は、この小包送票に貼り付けられていません。恐らく別の書式で処理したと考えられます。

参考文献
(5)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印

190214表 小包第1期オーストリア+スロヴェニア混貼、かさばる小包、返送、小包私書箱保管料金

2007年09月28日 22時36分52秒 | 小包第1期
190214表 小包第1期オーストリア+スロヴェニア混貼、かさばる小包、返送、小包私書箱保管料金
第1期、旧オーストリア帝国領スロヴェニアから旧ハンガリー王国領クロアチア宛て
小包送票:オーストリア帝国12heller(小包送票代金の収入印紙、小包料金に含まない)、ドイツ語、薄青色紙

小包ラベル:Marburg a. d. Drau 1 1090 (郵便局名はドイツ語表記)
その他のラベル・手書き等:
(a)Marburg a. d. Drau 1郵便局における発送処理
①青色手書きSp(左中央下):ドイツ語でSperrgutかさばる小包
②黒鉛筆手書きTgz 50(左下):かさばる小包料金、重量料金50%上乗せ
③黒鉛筆手書きZp 4.80(右中央下):重量料金50%上乗せ後の総重量料金4.80Kronen
④オレンジ色の紙に黒文字Steinbrückのラベル:
ドイツ語名Steinbrück(スロヴェニア語名Zidani most)は、MARBURG (MARIBOR)からZAGREB行きと、LAIBACH (LJUBLJANA)からZAGREB行きの二つの鉄道路線が交わる駅であり、小包の宛て先であるクロアチアのザグレブZAGREBへの中継地を指定しています。この駅で鉄道郵便の乗せ換えが行われたと考えられます。

(b)クロアチアのZAGREB 2郵便局における返送処理
①赤色手書きretour(中央部):返送の指示
②薄青色の紙に黒文字Tのラベル:ハンガリー語でかさばる小包を表します。

切手:オーストリア60heller(Mi.196)、2Kronen(Mi.208) 2枚
スロヴェニア10vinar(Mi.101石版)、20vinar(Mi.103石版)、合計490 vinar
料金計算:
重量料金14.2kg---320vinar
価格表記(保険)料金212K65h---10vinar
代金引換料金212K65h---10vinar
かさばる小包料金---320*0.5=160vianr (重量料金の50%)
合計500vinar (貼り付け切手は10vinar不足)

消印:MARBURG an der DRAU 1 14. II. 19 -4 4e (1919年2月4日) ドイツ語表記。この後しばらくするとユーゴ化されてスロヴェニア語表記のMARIBOR 1だけが使用されるようになります。

参考文献
小包送票の表示及びラベル
Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
備考:各種表示に関しては、規定のラベルを貼る代わりに、手書きで表示することも許されていました。