190214裏 小包第1期オーストリア+スロヴェニア混貼、かさばる小包、返送、小包私書箱保管料金
小包送達および返送経路の解析
(1)発送:MARBURG an der DRAU 1 14. II. 19 -4 4e (1919年2月4日)
(2)中継:ドイツ語名Steinbrück(スロヴェニア語名Zidani most)、鉄道郵便の路線の乗り換え。
(3)到着:ZAGREB 919 FEB. 15 -N1 W2W (ZAGBEB 2郵便局1919年2月15日)、ハンガリー形式の郵便印をそのまま使用。
(4)ZAGBEB市内をZAGBEB 2郵便局からZAGBEB 1郵便局へ転送
(5)転送到着:ZAGREB 919 FEB. 18 –N8 d1d (ZAGBEB 1郵便局1919年2月18日)、ハンガリー形式の郵便印をそのまま使用。
(6)ZAGBEB 1郵便局で赤色で返送retourを記載、ハンガリー形式のかさばる小包を表示するラベルTの貼り付け。
(7)返送到着:MARBURG an der DRAU 1 18. III. 19 -3 4b (1919年3月18日)
ZAGBEB 1郵便局で30日間保管していたと考えられます。
(8)スロヴェニア普通切手10vinar(Mi.101石版)に、ハンドスタンプ黒色のPORTO(不足を意味する)を加刷して貼り付け、MARBURG an der DRAU 1 18. III. 19 -6 4b (1919年3月18日)で消印。小包私書箱の小包の保管に対する小包1個当たりの料金と考えられます。
備考:
第1期小包料金の項でご紹介した文献(5)の著者Dr. Helmut Kobelbauerは、「特に、定期的に高頻度に郵便物が届く商人がこの特別サービスを利用した」としています。そして、リュブリャナ1郵便局での使用例を示し、商人が自分の商店の名前の入った楕円形のスタンプを押して受取日を記入している例を紹介しています。また、Dr. Kobelbauerは、「商人はこのようなスタンプを使用するが、個人は通常はこのようなスタンプを使用しない」と記載しています。このような商人のスタンプの存在は、小包私書箱の使用の判断の根拠になるようです。
今ご紹介している使用例で、受取人は、自分の氏名と居住都市の名前のハンドスタンプを使用していますので、多量の小包等の郵便物を受け取る商人であると考えられます。
(9)小包引渡し印:MARBURG…. 31. III. 19 4d (1919年3月31日)
(10)受取人サイン日付:1919年?月31日
備考:受取人から徴収する規定となっている返送小包の返送料金に相当する不足切手は、この小包送票に貼り付けられていません。恐らく別の書式で処理したと考えられます。
参考文献
(5)Arge der Balkan Länder, No. 161, p.28-31, (2003)
Dr. Helmut Kobelbauer
Nebenstempel der Paketabgabe beim Postamt Ljubljana
リュブリャナ1郵便局による小包引渡しの証示印