クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトの交響曲第40番ト短調 K.550 ~コレギウム・アウレウム合奏団

2006年06月22日 01時58分13秒 | 交響曲
日中の蒸し暑さは気分が悪いですが、早朝は涼しく快適です。
ジョギングしていると、緑の空気が旨いですな。朝露のあぜ道を走るのは(少々靴底が濡れるが)、実に気持ちイイもんです。これで体重が減ってくれれば文句ないんですが、どうもこの頃、アカンです。気分よく走ったあとに、食べ過ぎるからかな・・・・(^^ゞ。
節制しなくちゃね・・・・・。

さて、今日はモーツァルトの交響曲第40番ト短調 K.550。

コレギウム・アウレウム合奏団の演奏。1972年、キルハイムのフッガー城「糸杉の間」での録音。独ハルモニア・ムンディ原盤で、日本ではBMG盤。
LP時代はテイチクから出ていたもので、廉価盤が沢山あったので、随分世話になったものだ。

久しぶりに聴く、コレギウム・アウレウムのモーツァルト。
古楽器らしく、響きが明るく爽やかで、実に気持ちよい。そして、演奏スタイルは1970年代の現代楽器オケ風の安定感。
今の古楽器団体なら、もっとテンポ速く、少ない人数でサラッと演奏するのだろう。今ではコレギウム・アウレウム合奏団のタイプは古いんだろうと思う。しかし、爽快さの中にほのぼのとした温かさが伝わってくるこの演奏は、なかなか捨てがたい・・・・。


第1楽章から、特段変わったことをしているわけでもない。古楽器を用いたモーツァルトというだけ。テンポも普通。
しかし何とも云えない安定感と清新な雰囲気を感じる。指揮者を置かないこの団体らしい自発性というべきかな。コンサートマスターのフランツヨーゼフ・マイアーの巧みなリードで、アンサンブルはしっかりしている。羊腸弦のストリングスがとても綺麗。

第2楽章は、フルート・トラヴェルソのひなびた響きや、自然倍音のホルンの素朴な味わいを楽しみながら、清涼剤のようなストリングスが聴ける。テンポはやや遅めで、じっくり演奏してゆく。安定感に富んだ、保守的なモーツァルトかな。

第3楽章、本来は劇的なメヌエットなのだが、コレギウム・アウレウム合奏団で聴くと、ヌクヌク・ポカポカと暖かい。
中間部のトリオが、ことのほか美しい。ホルンの響きが自然に膨らんでいって、いじらしくなるほどの素朴さ。残響豊かで素晴らしい倍音。さすが「糸杉の間」。この響きは、何物にも代え難い。

終楽章はテンポが少し速まって、迸る哀しみが聞こえる。第一ヴァイオリンの涼やかな響きが時折少し軋んで、モーツァルトの哀しみを歌う。クラリネットの透明感のある響きが、その哀しみの感情を増幅させるよう。
アンサンブルはここでも自在なのだが、時々緩いのかなと思わせるところもあり。(残響の多い録音でごまかしているのかな?)
終曲に向かって、音楽がどんどん盛り上がって、熱くなってゆく。素晴らしい。


コレギウム・アウレウム合奏団の演奏は良くも悪くも微温的な演奏だと思います。
でも、そのほのぼの暖かいこの団体が、終盤には熱くなる・・・・そんな要素がモーツァルトにはあるんです。
ああ、モーツァルトを聴くのは、だから楽しいんですな。



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