クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ジュリーニ/シカゴ響の「新世界より」 ドヴォルザーク 交響曲第9番

2006年02月08日 06時05分48秒 | 交響曲
氷雨でした。冷え込みました。
なかなか気温は上がりません。
困ったもんです。

さて、今日は懐かしいLPを取り出してみた。

ドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調「新世界より」。
カルロ・、マリア・ジュリーニ指揮シカゴ響の演奏。1977年4月、シカゴのオーケストラ・ホールでの録音。DG盤。
ジュリーニは、のちにコンセルトヘボウ管とCBSソニーに「新世界」を録音しているので、これは旧録音になる。

1970年代後半、ジュリーニ絶頂期の録音。炸裂するシカゴ響の名人芸が聴きものだし、ジュリーニがいよいよ巨匠風の演奏を展開しはじめる頃の演奏でもある。

スケール雄大で、テンポは遅く、じっくりとドヴォルザークの旋律を歌い上げる。
ジュリーニらしい、旋律を引き伸ばした歌。

第2楽章、イングリッシュ・ホルンの切々とした歌。
弱音器をつけたヴァイオリンが、静かに、しかし緊張感を持って奏でる歌。響きの透明さを失わずに、しかし歌を忘れないアンサンブルが素晴らしい。

第1楽章の冒頭のゆったりとしたテンポ。
悠揚迫らぬテンポの中から、徐々にドヴォルザークが作り上げた最高のシンフォニーが姿を現してくる・・・・・その生成の響きが何とも素晴らしく、見事な造形だと思う。
しかも、気品があって格調高い・・・・。ジュリーニが「巨匠」であることを示すものだと思う。

第3楽章の木管の掛け合い、弦楽器の掛け合いも見事だし、ティンパニの強打も迫力満点。ティンパニの響きの素晴らしいこと!

終楽章の壮大な盛り上がりも見事。オケが抜群に巧い。アンサンブルは完璧だし、木管・金管とも安定度抜群。そして、ジュリーニの指揮で聴くシカゴ響の弦楽アンサンブルの優秀さ、繊細な響きがまた美しいこと。
金管の咆吼は、いつものシカゴらしく気分爽快。どれだけ大音量で吹いても、崩れないのだから、やはりシカゴは世界最強か。
ショルティの棒で響くゴージャスで剛毅なシカゴ響とはまた違う、柔らかく繊細な響きも聴ける。

ジュリーニ/シカゴ響の「新世界」。
おそらく、考えられる最高の「新世界」がここにあります。
指揮者よし、オケよし、録音も(アナログ最盛期で)よし。

録音から30年近く経過してなお、新鮮さを失わない、素晴らしい演奏だと思います。




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