クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベルリオーズの幻想交響曲は、ストーカー殺人事件・・・・? C・デイヴィス/ウィーン・フィル

2008年06月23日 04時38分20秒 | 交響曲
今日は雑誌のお話と「幻想交響曲」です。

ベルリオーズの幻想交響曲 作品14。
コリン・デイヴィス指揮ウィーン・フィルの演奏。
1990年1月、ウィーンのムジークフェラインザールでの録音。フィリップス盤。

本屋に立ち寄って、ふと見つけた本。
『男の隠れ家』7月号。初めて知った雑誌。ふだん、こういうのを読まないからなぁ・・・。男性(というより、オジサンのための)趣味誌のようだが、今月号はクラシック音楽の特集。題して「大人のクラシックpart2」。(ということは、part1があったのか)。
で、パラパラ項を捲って、そこそこ楽しめそうなので買ってきたのであります。

特に面白かったのは、幻想交響曲のところ。
ベルリオーズの幻想交響曲はストーカー殺人事件を扱ったもので、その殺人は第3楽章に行われる・・・・という新説(珍説と云うべきか)。これは面白かった。確かにこの交響曲は、「夢・情熱」、「舞踏会」と続く中で、女優ハリエット・スミッソンへの憧れが描かれ、第4楽章「断頭台への行進」で、女性を殺した罪で処刑されることになっている。となると、殺人は第3楽章で行われているというのだ。

なるほど、そんなものかと思いつつ第3楽章を聴いていくと、確かに、これは面白い。筆者の樋口裕一はこの説を知って第3楽章を聴くのが退屈でなくなったと書くのだが、そういえば、この楽章はウトウトしやすいところだわいなぁ。僕も、よう寝てしまいますもん・・・(^^ゞ

でどこで殺人が行われたのかを探そうと、第3楽章を真剣に僕は聴いたのであります。

確信を持って「ここだ」というのは分かりませんでした(^^ゞ。
でも、第3楽章後半、曲想が変わっていくところ、怪しいムードが漂い始め(これは主人公の心の動揺だろう、そして愛と憧れゆえの殺意が目覚め・・・・おお、恐ろしい!)・・・・。
楽章の始まりは、イングリッシュ・ホルンとオーボエ。二人の羊飼いの歌は同時にベルリオーズとスミッソンの愛の語らいの象徴かな。主人公の勝手な思いではあるのだろうけれど、幸福な、穏やかな心情を歌い上げる。
しかし、楽章中盤にスミッソンが現れると、主人公の心は千々に乱れ、彼女の心が離れるのを恐れ・・ついに。おお、恐ろしい。

さて、演奏であります。
そんなことを思いながら、このC・デイヴィスの新盤を聴いていたのであります。
これはオケがウィーン・フィル。フィリップスの素晴らしい録音もあって、聴き応え十分。旧盤のアムステルダム・コンセルトヘボウ管との演奏も素晴らしかったのだが、しなやかさではウィーン・フィルが一枚上かも。

第1楽章はしっとり感あり、第2楽章の舞踏会は全く見事、ホンマのエレガンスを感じさせるワルツ。
そして第3楽章は、すでに書いたとおり、ドキドキしながら聴いてしまいました。木管が抜群。
第4楽章以降の迫力も素晴らしい。ウィーン・フィルは、エレガントだけではない。パワーも素晴らしい。
ストーカー殺人事件のことを考えつつ聴いていたので、ラストの鐘の音が大変不気味に聞こえました。他の演奏より、なおいっそう不気味だったのは、こちらの感情のせいかもしれません・・・・。


<幻想交響曲の自己リンクです>
■マイケル・ティルソン・トーマス/サンフランシスコ響
■ミュンシュ/パリ管
■デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管
■ハイティンク/ウィーン・フィル
■チョン・ミュンフン/パリ・バスティーユ管
■カラヤン/ベルリン・フィル(1964年盤)
■アバド/シカゴ響
■ブーレーズ/クリーヴランド管
■デュトワ/モントリオール響



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