クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番 K.458「狩」 ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団

2007年04月20日 05時06分23秒 | 室内楽曲
夜はまだ冷え込みます。
年度初めの仕事の山もようやく一息ついたかいなぁ・・・・・・・と思ったら、連休前に片付けなければいけない仕事がまたドンとやってきました。ヤレヤレであります。

さて、今日は室内楽をモゾモゾ聴いております。

モーツァルトの弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458「狩」。
ウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団の演奏。
1990年12月、ウィーンでの録音。

タワーレコードが発売しているウィーン・ムジークフェライン弦楽四重奏団の8枚組BOXセットからの1枚。モーツァルトやハイドン、シューベルト、ブラームスの室内楽の選集で、なかなか聴きごたえがある。
すでにベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集も同じ8枚組で出ており、いずれも6000円なので、廉価盤であります。

「狩」を聴くのは楽しい、冒頭のあのヴァイオリンの下降してくる弾むような旋律が耳に入ってくるだけで、心も弾んでくる。
鳥の囀りを思わせるヴァイオリンのトリル、ヴィオラの音色の渋さ、チェロの響きの豊かさ。いずれも計算され尽くした見事な室内楽だと思う。
(いや、モーツァルトの天才は、計算などこざかしい人間業を行うはずもないか?)

キュッヒルのヴァイオリンはとても綺麗。
優しく典雅なウィーンスタイルに、厳しさと格調とを加えたような演奏ぶり。しなやかで流麗なヴァイオリンの中に、凛とした潔さを感じる。

第1楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイは全く快活爽快な演奏。アンサンブルも緊密で、聴きごたえ十分。キュッヒルのヴァイオリンはもちろん爽やかで素晴らしいし、ハインツ・コルのヴィオラがイイ味わい。やや控えめながら、存在感のある渋い音色で2本のヴァイオリンを下支えしている。

第2楽章は遅めのテンポ。メヌエットがクッキリと響く。

第3楽章はアダージョ。ハイドンセット唯一のアダージョ。
これはこの演奏の白眉かな。モーツァルトの憂愁と思索が聞こえてくるような音楽になっている。
アンサンブルがよいので、響きが透明。研ぎ澄まされた理性というべきか、理知的な演奏というべきか。

第4楽章アレグロ・アッサイは爽快躍動鮮烈な名演。
ああ、「狩」を聴く楽しさ、ここに極まれり。


録音は抜群であります。
室内楽の楽しみを最高に味わえる名録音。透明度、広がり、残響どれをとっても最高水準と思います。

演奏も録音も爽やかな8枚組のセット。ボチボチと聴いていきたいと思います。



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