クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ブラームスのクラリネット五重奏曲 ロ短調 プリンツ(Cl)・ウィーン室内合奏団

2008年10月06日 05時33分00秒 | 室内楽曲
しとしと雨の日曜日でありました。その雨の中、自治会の奉仕活動(一斉清掃)でありました。当地伊予西条は、秋祭りの盛んな土地柄、西条祭りに向けて地域が一体となって準備をします。毎年の恒例行事の清掃であり、しかも祭りのためならということで、みんなカッパを着て黙々と作業します。びしょ濡れです。しかし不平不満は誰も云いません。偉いもんです。お百姓さんの多い土地でもあり、こういうことに慣れているんです。ああ、日本人。さて、秋はブラームス。この人も、不平不満を言わない、胸の内に押さえ込む人だったような気がします。ブラームスのクラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115。アルフレート・プリンツのクラリネット、ウィーン室内合奏団の演奏。1979年6月、ウィーンのポリヒムニア・スタジオでの録音。独オイロディスク原盤。国内ではDENON発売のCDで、28C37-40という番号。1985年発売当時、2,800円の「廉価盤」でありました。晩年のブラームスの心境をうかがわせるような、沈んだ気分がひたひたと迫ってくるような演奏。そして、プリンツのクラリネットは、もう、最高の名演。深々とした音で、しっとりと柔らかいのがイイ。硬い音が全然出てこない。そしてゆったりとした包容力もある。呼気が無駄にならずに音化されているのだろうなぁ。演奏全体も、たっぷりしたテンポと柔らかい響きで終始一貫しているのが好ましい。ウィーン情緒とでも云うべきか、時に素朴な表情が見えるのも嬉しい。第1楽章の悲痛な表情。ブラームスの諦念が広がる。第2楽章は、ロマンの薫りを一杯に含んだクラリネットが素晴らしい。特にその音。プリンツの音は、哀しみと柔らかい抒情をたたえて、全く美しい。これ以上のクラリネットというと・・・・ちと思いつかんぞい。アンサンブルも見事。ゲルハルト・ヘッツェルのヴァイオリンが、キッチリと輪郭を描いて、音楽がブヨブヨと肥大化しないのがイイ。その輪郭から、ヴィオラやチェロが、淡くにじむような響きを作り出してゆく。フィナーレも美しさの限り。プリンツの充実した演奏が聴ける。見事な演奏に息をのみつつ、ああ、終わるのが勿体ない!録音は上々であります。クラリネットの慎み深い音がよく捉えられているし、背後に控える弦楽四重奏の存在感も十分です。ヘッツェルのヴァイオリンもよく伸びてます。プリンツのクラリネットだけではない、このCDは、名手ゲルハルト・ヘッツェルのヴァイオリンも聴けるんであります。

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