クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ベルリン弦楽四重奏団のベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 作品127

2011年04月23日 06時03分16秒 | 室内楽曲
大三島での単身赴任中、室内楽を聴くことが増えました。

歳をとって大音量の管弦楽曲を聴くと疲れるようになったのと、島での静かな生活にはピアノ曲や室内楽曲のような編成の小さな音楽の方があっていたからであります。
本当に小さな、人の少ない島で、特に若者・子どもが少ない島でした。

朝は6時、夕方は5時に時刻を知らせるチャイムがあちこちの島内スピーカーから鳴ります。夕方5時以降は夜であります。実に静かで人通りの少ない、街灯も少ない夜でしたから、星が降るようでした。夜間のネオンも全くありません。せいぜい、数少ない自販機のあかりくらいでしょうか。ですから、冬の早朝などは、ジョギングするのに道が見えないので困ったものでした。

そんな2年間、よくベートーヴェンの弦楽四重奏を聴きました。
今まで聴き慣れなかった後期弦楽四重奏曲にも親しめるようになりました。ようやく、あの深遠な精神世界に触れることができる年齢になったということかもしれません(若い頃は、何度聴いても分からんかったのです・・・・・)。

能書きが長くなりました。

■ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 作品127
■演奏:ベルリン弦楽四重奏団
■録音:1978年頃(P1980)edelの廉価BOX盤~ドイツ・シャルプラッテン原盤

取り出して聴いたのはベルリン弦楽四重奏団(ズスケ四重奏団)の箱物。この頃CD激安化で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集も、いろいろ入手できるようになった。何セットか購入してこの2年間で聴き比べてみたが、内実の伴った安定感と飾り気のない誠実さでは、このベルリンSQのが一番よい演奏かもしれない。
カール・ズスケのヴァイオリンを軸に、各奏者がとても堅実に弾いていて、音楽の佇まいが非常にイイ。
派手さはないし、オシャレな感じもないのだが、じわじわと感動がこみ上げてくるような、後半に進むほどその筋の通った演奏ぶりが伝わってくるような、そんな演奏。
ベートーヴェンは素晴らしい、弦楽四重奏とは素敵なものだ・・・・と言葉には出さないものの、聴き手には伝わってくる演奏。
そして、聴き手の前には、晩年のベートーヴェンが居住まいを正して立ち上がる・・・。
ズスケのヴァイオリンは綺麗で繊細、やや細身の美音が泣かせる。誠実で端正で堅牢で安定感抜群、そして泣かせる。エエなぁと思う。

録音も上々であります。
やわらかい音響が、この渋く堅調な演奏に、暖かみを添えております。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私はLPで (よし)
2011-04-23 14:27:25
ズスケのベルリン四重奏団の演奏はLPで持っています。が、買ってからあまり聴いていません(笑)。
アルバン・ベルクは上手すぎて息が詰まるようですがベルリンSQのはちょうど良いゆるさがあっていいですね。
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12番は (天ぬき)
2011-04-23 16:24:24
後期の四重奏曲の中でも少し影が薄かったのですが、あくまで自分にはですが、近年になって聞けるようになりました。
第2楽章が特にいいと思います。
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>よし 様 (mozart1889)
2011-04-24 05:51:39
コメントを有り難うございました。
ズスケの四重奏団は、CDの激安ボックスで初めて聴きました。これは良かったです。あまり「キツく」ないのがイイです。よしさんのおっしゃる、ちょうど良いゆるさがエエのでしょう。
この頃、ベートーヴェンの弦楽四重奏をよく聴きます。島で暮らしている間は、ずっと聴いておりました。静かな環境にいると、しみじみと聴けました。
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>天ぬき 様 (mozart1889)
2011-04-24 05:54:03
おはようございます。コメント感謝です。
ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲は、渋いです、じつに深いです。まだその深さがよく分かっていないと思いつつ、この頃よく聴きます。
最も聴くのは第14番なんですが、この12番もエエです。静かな気分でここちよく聴いてます。
天ぬきさんも、あの銘機NS2000で聴かれているのでしょうね・・・・。
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