クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ヴェーグとシフのベートーヴェン   ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調

2011年05月23日 05時49分59秒 | 室内楽曲
休日でありました。
ジョギングしたり、畑の世話をしたり、そして音楽に読書・・・。まだ先のこととはいえ、定年退職したらこういう生活になるんやろうなぁと思いつつ、のんびりしておりました。
クラシック音楽を聴くということは、閉じこもることが多くなるということ、家人は心配して買い物などに出来るだけ僕を連れ出そうとします。
まあ、家の中にこもってばかりにならぬよう、毎朝6㎞のジョギングをしているんだけれどなぁ・・・・。

さて、今日は室内楽曲です。

■ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第7番 ハ短調 作品30の2
■演奏:シャンドール・ヴェーグ(Vn)、アンドラーシュ・シフ(Pf)
■録音:1983年12月 ザルツブルク・モーツァルテウム DECCA原盤でタワー・レコード・ヴィンテージ・コレクション盤として再発されたもの。

ベートーヴェンのハ短調は凝集力が強く緊迫感に満ちた音楽になる。

このヴァイオリン・ソナタが書かれたのは、あのハイリゲンシュタット。ベートーヴェンが耳疾の絶望の中で書いた強靱な音楽・・・・というのが第1楽章だろう。しかもベートーヴェン得意のアレグロ・コン・ブリオ。悲壮感漂う中にも、強い精神力が聴き取れる音楽と思う。

第2楽章は安らぎ。慰めの音楽。
ベートーヴェンは哀しみと絶望の中でこんなに美しい音楽を書いたのか、と涙がこぼれる思い。ああ、アダージョ・カンタービレのベートーヴェンは、切なく悲しく歌う。

第3楽章は簡素なスケルツォ。サッパリとした味わいになるのは、ヴェーグのヴァイオリンのなせるわざかも。

フィナーレはアレグロ。軽快だが中身は濃い。
後半2つの楽章は、前半の孤高の表現から比べると、肩の力が抜けている感じがする。

演奏はヴェーグの貫禄が味わえるもの。録音当時78歳とはとても思えない矍鑠たるマナー。ヴァイオリンの音色が少し硬くとがっているようにきこえるのは、録音のせいかな。
シフのピアノはヴェーグを支えることに徹して慎ましいのだが、ここぞでのフォルティシモは研ぎ澄まされた鋭利な感じで、しかも実に美しい。

録音はやや硬めです。
ピアノの音はまずまずよく録れていると思いますが、ヴァイオリンがオンマイクで高音がややきつく感じます。定位と奥行き感は上々です。
この録音、デジタル初期特有の硬さ・高音のきつさが感じられて、少し残念な気がします。
あの頃はそうだったですねえ・・・。

しかし演奏はとても良いのです。復刻・廉価盤化してくれたタワー・レコードには感謝したいと思います。


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6 コメント

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名曲ですよね (木曽のあばら屋)
2011-05-23 07:15:29
こんにちは。
このソナタは私も大好きです。
ベートーヴェンらしいという点ではヴァイオリンソナタ中イチバンでは?
シフとヴェーヴの録音は持ってませんが
よく聴くのはシェリングとヘブラーの温かみのある録音と
クレーメルとアルゲリッチの丁々発止としたやり合いです。
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早くもシランの花盛りですか! (narkejp)
2011-05-23 20:49:31
わーお!この季節感の違い!さすが南国四国愛媛ですね~。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、好んで聴いております。ふだん聴いているのはスークとパネンカの録音ですが、全集があるとなにかと便利ですね。若い頃の颯爽とした曲、中期の力強い充実、晩年の木漏れ日のような幸福感など、どれも魅力的です。
スケールの大きさに悲壮感や緊迫感を併せ持つ第7番は、たいへん魅力的な音楽ですね。私も大好きです。
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>木曽のあばら屋 様 (mozart1889)
2011-05-23 21:50:53
今晩は、コメントを有り難うございました。
これは良い曲ですね。時々取り出しては聴いております。
木曽のあばら屋さんはシェリング盤ですか。僕もLPで全集を持っています。5枚組1万円の大作ですが中古ショップで購入したのを覚えています。発売当時、録音が良いと評判だったです。
クレーメルのもスゴイですよね。アルゲリッチが全然引きません、ものね・・・。
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>narkejp 様 (mozart1889)
2011-05-23 21:57:05
コメント感謝です。
シランの花、満開です。白い花の方も咲きました。やはり四国は暖地なんですね。菜園の野菜苗の生育も今のところ順調です。
TB有り難うございました。ヨセフ・スークもいいヴァイオリニストですよね。この人のバッハの無伴奏ソナや&パルティータも良かったです。
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似たような優雅な生活者同士 (林 侘助。)
2011-05-23 22:02:10
narkejpさん登場ですね。

西条もええとこですよ。数年前迄、愛媛県には通い詰めでした。現在居住している尼崎は気さくで便利だけれど、環境がねぇ・・・

ワタシはグリュミオー/ハスキルの演奏が好きです。
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>林 侘助。 様 (mozart1889)
2011-05-23 22:10:08
こんばんは。コメントを有り難うございました。
優雅な生活といっても、四国伊予西条はなぁんもないですから、様々な刺激には不足してます。あ、でも水は旨いですから(「うちぬき」です)、飲みに来てください。しかもタダですし(笑)。
と言いつつも、林さんのようにドンドンCDを処分して身軽になっている・・・これが僕には出来ません。アカンですねえ。物欲は尽きませんし、せっかく入手したものを手放すことも出来ません。アカンですねえ。「断捨離」にはほど遠いです・・・・。
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