クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ブルックナーの交響曲第6番 ヘ長調 <原典版> レーグナー/ベルリン放送響

2007年06月19日 03時14分16秒 | 交響曲
四国は梅雨空です。でも、雨は降りそうで降りません。
松山では渇水対策本部が設置される模様ですし、香川・徳島でも早明浦ダムの貯水率がピンチとのこと。まとまった雨が欲しいところです。


さて、今日もブルックナーですみません。

ブルックナーの交響曲第6番 ヘ長調 <原典版>
ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団の演奏。
1980年6月、東ベルリンのキリスト教会での録音。ドイツ・シャルプラッテン原盤で日本では徳間音工が発売していた廉価盤(1000円盤のはしりだった)。

ブルックナーの第六交響曲は、実演であまり聴かないし、CDも多くない。
僕も取り出すことが比較的少ない。3・4・5番の傑作群と7・8・9の大傑作群に挟まれて、あまり目立たないのかな。よく聴いてみると、ブルックナーとしてはあまり規模が大きくないので、聴きやすい佳作と思われる。

レーグナー盤は速めのテンポをとって、推進力十分の演奏。溌剌とした感じで曲が進んでゆく。オケのアンサンブルは少々怪しいのだが、教会録音の残響が素晴らしくいので、それが演奏のキズになっていない。

第1楽章はマエストーソ。
勇壮で逞しい楽想を、レーグナーはサッサと演奏させてゆく感じ。少々素っ気ないところもあるが、オケの響きはふっくらとして心地よい。ブルックナーの懐の深い部分はよく表現していると思う。

第2楽章はアダージョ。
しっとりとした歌が徐々に高まっていくところが素晴らしい。実に美しい歌だし、それがゆっくりとクレッシェンドしていって最高潮に達するところは全く感動的。これぞブルックナーと云いたい。
オケの音色がイイ。特に弦楽セクション。華美ではないし、鮮やかなところもあるわけでなし、渋めのやや暗い音なのだが、切々と歌を響かせて品がよいし、なにより素朴。飾り気はないが、でも一生懸命弾くときのオケはホンマに美しい。ブルックナーの美しい旋律を、真摯にまじめに高めてゆくのを聴くのは嬉しい。

第3楽章はスケルツォ。
あまりスケールは大きくないものの、知的にコントロールされてスッキリと音楽が進んでゆく。金管も木管もよく頑張っていると思う。

終楽章は楽想が刻々と変化し、いかにもブルックナー的。オケもフォルティシモの大爆発からピアニシモの繊細なところまで忙しそう。ちょいと苦しいところもあるが、健闘と思う。ふっくらとした響きはとてもイイ。

録音は、鮮烈な感じはなく、少し古びた感じもしますが、教会の残響成分が多く、ゆったりと聴き疲れしないもの。
奥行きは抜群に広い。金管群がかなり奥の方で鳴っているのが分かるのがエエですな。
定位はイマイチなんですが、このふっくらとした残響は心地よいです。





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