モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

盆城庵とネコバリ岩のヒミツ

2023年11月21日 | 太平山/秋、冬

(本記事は旧ホームページの古い記事をブログ用に復刻したものである。)

2008年の秋、野草の撮影で秋田県内の山間部を廻っていたら、

五城目町の山奥で偶然にも、このような茅葺屋根のおうちを見つけた。

2008年10月2日、盆城庵






それは昔懐かしく、小ざっぱりした佇まいの建物だった。

今回は心の準備が出来ていなかったので、外から眺めるだけにした。
入口にある看板で、このおうちには『盆城庵(ぼんじょうあん)』という名称があったことを、
また後になって宿泊施設として開放されていることも知った。
ところで、このおうちのある集落名だが、『蛇喰』と書いて『じゃばみ』と読む。



なんか怖そうな地名に驚き、。((((((逃geru 逃げ帰ったような次第。


2009年の秋、またまた野草の撮影で走り回っているうちに、
前年の盆城庵がふと気になり、9月18日、また来てしまった。
すると入口にこんな立派な看板が出来上がっていた。







三平君の案内によると、
このすぐ奥、馬場目川上流に『釣りキチ三平の家』(ほんとかな?)やネコバリ岩があるとのこと。

どちらもこの日初めて知ったばかりだが、折角来たのだからと寄ってみる。

『釣りキチ三平の家』は確かに有った。







建物に這い上がっている蔓草は西洋朝顔ヘブンリーブルー。

ただし映画『釣りキチ三平』のロケのため、建てられたものであって、
三平君やその家族が住んでいるわけではない。

屋敷の内外にはジャンゴ花が適度に植わっていた。










ネコバリ岩に向かう途中の道端で青紫色のシソ花の群生に出遭う。



このシソ花はずっとカメバヒキオコシだと思っていたが、正しくはタイリンヤマハッカのようだ。
葉の形はカメバヒキオコシそっくりだが、花冠が15mmと長いので区別するとのこと。

タイリンヤマハッカ  
 

                                             キバナアキギリ

これはタデ科、タニソバだろうか。




おっとっと。道草を喰い過ぎた。

肝心のネコバリ岩は・・・

この流れは馬場目川。

   



なんか大トトロみたい。こんな岩だった。



岩の高さは約6m。
こんな大きな岩がどこから転がって来たのか、或いは渓流で穿たれたものなのかは不明。

いずれにしろ岩上で踏ん張る杉や広葉樹の頑張りには敬意を表したいどころか畏怖さえ感じる。
以上、2009年9月18日撮影。

◆ネコバリ岩の名の由来だが、当初私は猫のばり(小便)かなと思ったが、後で、全く違うことが判明。
 漢字で『根古波離岩』と書き、根が波のように張って離れた地面とつながっていることに由来するようだ。
◆ネコバリ岩の記述に際しては、次のサイトを参考にさせて頂いた。
 旧知の菅原徳蔵氏・山釣り紀行/源流岩魚写真館中の実写版映画「釣りキチ三平」秋田ロケ風景その他。
◆この山域はヤマビルが多い。初夏から秋にかけて、多く発生し、特に雨が続いた後などは要注意。
履物や服装には注意し、出来たら忌避剤も準備されたし。
私が2009年9月18日、訪ねた時は襲われなかったが、これはしばらく日照りが続いていたせいだろう。


約一ヵ月後の10月19日、もしかしたら紅葉が綺麗なのではと思い、また寄ってみた。
この日の天気は曇りで時折、小雨が舞っていた。


『釣りキチ三平の家』付近から更に奥の方を望む。




馬場目川の清流



残念ながら、紅葉はあまり奇麗ではなかった。
今年は全県的に紅葉がイマイチだ。
発色と同時に枯れも進んでおり、がっかりすることが多かった。おそらくここもそうなのだろう。
しかしネコバリ岩は立派だった。

 






今回は『ハウルの動く城』を連想してしまった。
もっと水量が多かったら、浮いてるように見えたかもしれない。

 


馬場目川は太平山系馬場目岳や笹森に源を発し、わずか20キロ程度で八郎潟(調整池)に流れ込む。




帰り際に『釣りキチ三平の家』方面を遠望。

雨にかすむ北ノ又集落。右端が『釣りキチ三平の家』。




最後に盆城庵も。今回も中には入らないで帰ってしまった。

2009年10月中旬、盆城庵



以上。

(本頁は2009年12月5日、旧ホームページ「モウズイカのガーデニング狂時代」にアップしました。)


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4 コメント

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Unknown (大屋俊英)
2023-11-21 08:47:54
馬場目川の奥ではブナを植える会でよく行きましたが、数年前の大雨で道が荒れ果てて入れなくなりました。今はネコバリ岩までしか行けません。そこから馬場目岳登山口まで釣りで歩いたことがありますが、今後はクマ対策が必須かな。三平の家には入ったことがありますが、維持が困難で閉めたようです。
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Unknown (mac68615)
2023-11-21 12:29:47
流石、秋田。三平の家や景色に出会えるんですね。
以前矢口高雄先生からサインもらって、アメリカの現地の社長が釣り好きだったので、あげました。
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大屋俊英さんへ。 (モウズイカ)
2023-11-21 17:57:18
コメントありがとうございます。
馬場目川奥はヤマビルが嫌でずっと近寄らなかったのですが、
心境の変化なのか、2008,2009年は続けて行っておりました。
今年春、旧ホームページが消滅しましたが、
本コンテンツは勿体ないような気がして、今回、ハードデスク中の残渣を掻き集めて復刻したような次第です。
♪十年はひと昔、三平の家が閉ったのは残念であります。
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mac68615さんへ。 (モウズイカ)
2023-11-21 18:12:08
コメントありがとうございます。
今日は久しぶりに晴れたので、朝、本記事をアップ後、横手実家に冬支度で行ってまいりました。
釣りキチ三平の作者、矢口高雄先生は私と同じ(広域)横手市の出身、
実家から10数キロ離れた山あいの集落のご出身です。
先ほど確認したところ、
先生の亡くなられたのは(三年前、2020年の)昨日、11月20日だったんですね。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
個人的には、私は釣りはやらないのですが、
「おらが村」や「マタギ」のシリーズは深読みし、感銘を受けました。
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