モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

上高地・穂高岳花無し紀行(1992/07/24~28) 1.憧れの上高地

2021年01月02日 | 北アルプス

昨年末、『鬼滅の刃』関連の投稿(こちら)で、
「PCのハードディスクの中にある旧い画像をあたっていたら、懐かしい写真がゾロゾロ出てまいりました。
冬場は山に行けず、閑なので大昔行った北アルプスの山歩き記録をブログ化しようか・・・。」
などと述べましたが、白馬岳に続き、第二弾を始めてみます。
写真は劣化したリバーサルフィルムをフィルムスキャナーで読み取ったものなので、あまり鮮明ではないですが、どうかご寛容下さい。



1990年以降、夏場は毎回、山仲間達と一緒に遠出をしている。
三回目の1992年は北アルプスの南部、上高地と穂高連峰まで行った。
一昨年は白馬岳(こちら)、昨年は大雪山と花の名山が続いているが、
今回登った穂高連峰に花はほとんどなかった

かわりにあったのは、岩と雪。特に岩は凄かった。

7月25日、北穂高岳山頂から槍ヶ岳を望む。



この一連の遠征は当初、高山植物を愛でることを主たる目的として始まったようだが、

メンバーの中に若くて植物に詳しい人が居なかったこともあり、たまたま私にお誘いが掛かった
(要するに「植物の名前教え係」兼「荷物担ぎ要員」として)。

この仲間達の平均年齢は五十代後半。当時の私とは二十歳以上も年上、
おやじおふくろと一緒に登るようなものだったが、それはそれで結構楽しかった。

穂高連峰では花にはほとんど恵まれなかった。
また同行者一名が涸沢より上に行ったら、猛烈な高山病にかかり、
しんどいということで、一番若い私がその御方のリュックも重ねて背負うことになった。
予期せぬ負荷がかかり、以降の私の足取りはズシンと重たいものとなった(涸沢まではとても軽快だったのに)。
更に当時は三脚も持って歩いていたので、かなりの負荷がかかったが、当時は若かったので何とか凌げた。
この山旅、個人的には後悔はしていない。

何故ならここで見た山岳風景は今まで見た中では最高
日本国内でも最も見応えのある風景ではなかろうかと思っている。

しかし・・・(-_-;) 穂高は実にしんどい山だった。他の山なら、また機会を見て、
もう一度、或いは何度でも行きたいと思うものだが、穂高だけは・・・ (´π`;)もうたくさん。((((((逃geru 。
特に涸沢岳の絶壁や吊尾根のナイフの刃をつたうような体験は・・・ああ・・・
思い出すだけでも・・・ {{{゚◇゚;}}}ブルブル。ゾッとする。

実は私、高所恐怖症。それ故、飛行機に乗るのも大嫌い。
天候に恵まれ、見たいものは十分見たので (´π`;)もうたくさんだ。

なお本レポートで使用している写真はリバーサルフィルム、コダクローム64プロ(PKR)を
フィルムスキャナーで読み取ったもの。全体として地味な印象に仕上がった。

7月28日、下山後に見た梓川と穂高連峰。



【一日目(7月24日)、憧れの上高地】

1992年7月24日、長年の憧れだった上高地に私は初めて踏み入った。
東京や名古屋にお住まいの方々ならば、その気になれば、すぐ行ける裏庭のような処かもしれないが、
秋田から行くとなると・・・ (´π`;)ほんと遠い場所だ。
寝台列車で富山まで行き、早朝、糸魚川まで戻って、大糸線を乗り継ぎ、松本から電車、バス・・・
といったい何回、乗り物を換えたことだろう。

例によってほとんど寝てないのだが、車窓に迫り来る山々の迫力は眠気を吹き飛ばすのに十分だった。
おどろおどろしい釜トンネルをくぐり、ちょっと走ったら、目の前がパーッと開け出した。
こんな山の奥なのに何故こんなに広い平地があるのだろうか。これが私の上高地の第一印象。
初めて見る穂高は薄もやを身に纏っており、思ったより遠いように感じた。

上高地の標高は河童橋のある辺りで約1500m。東北ならば立派に高山の花が咲いている高度だが、
ここ中部日本では山地帯と亜高山帯との境目付近に相当するようだ。
廻りにはいつも見慣れたブナやスギの姿はなく、
一発で名の特定出来ない落葉広葉樹や
クリスマスツリーをでかくしたような形のいい針葉樹ばかり。





先に穂高は花はほとんど無いと述べたが、こと上高地に関して言えば、花はたいへん豊富だった。

河童橋の辺りの人気の多い場所でも朱赤のクリンソウがひっそりと咲いていた。
ちょっと歩くと、紅紫の提灯を竿灯のようにいっぱい下げた花に出会った。
ヤマホタルブクロだ。こちらは秋田に無い種類なので、私には珍しく感じた。

ヤマホタルブクロ

 
 


薄暗い林の下にもいろんな花が咲いていた。

マンセンカラマツ



ここに咲くカラマツソウは丈が1m以上もあり、花付きもよく、とても立派だった(園芸植物としても十分通用しそう)。
後で調べたら、マンセンカラマツという別の種類だと分かった。
「マンセン」とは満鮮と書き、満州と朝鮮を意味する。向こうにも分布しているのだろう。

オオウバユリ(左)とマンセンカラマツ                    オオウバユリ
   



センジュガンピ




クルマバツクバネソウ



あと写真は省略するが、サワギクやダイコンソウ、キバナヤマオダマキ、クワガタソウ、
ゲンノショウコ(紅花タイプ)なども咲いていた。

ダイコンソウ以外は秋田ではほとんど乃至は全く見かけない代物ばかりだが、ここ上高地にはうじゃうじゃ。
時間があれば、もっともっといろんな花に会えただろうが、日もだいぶ傾いて来た。
今晩の宿、横尾山荘に向けて梓川の河畔を急ぎ歩く。


明神岳と前穂高岳(3090m)



徳沢付近から梓川上流を望む。
奥のゆったりした山は大天井岳(2922m)、手前のピラミッド型は中山(2492m)。

 




二日目」に続く。



コメント
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