山と言えば、いつも鳥海山ばかりなので、たまには太平山を。
しかも超短く。
太平山全体
中岳から奥岳まで。
奥岳(1170m)。山頂に太平山三吉神社奥宮がある。
太平山地最高峰、白子森(1179m)
こちらは以前、春に奥岳に登った際の山頂からの眺め。
きつい山なので、今年は登るかどうか何とも言えない。
以上。
(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)
4月も中旬になったら、太平山の雪姿が美しくなって来た。
4月14日、下界(秋田市和田)から見た太平山地の山並み。左端は前岳と中岳、右奥に白子森(太平山地最高峰)。
4月14日、太平山の核心部分。今回、最初に登った宝蔵岳は剣岳のかげに隠れて見えない。
太平山は自宅のすぐ近くに聳えているが、幾つか理由が有ってあまり登っていない。
今回、今頃登ったのは、昨年11月、山納めの名目で登った際(関連頁はこちら)、
宝蔵岳の登り口斜面にイワウチワの大群生を見つけ、春の開花を見に来ようと思っていたからだ。
今回の非合法マップ。
そろそろイワウチワが咲いてるだろうと思い、平成最後の昭和の日、4月29日に決行。
旭又駐車場にクルマを置き、テクテク歩いて、宝蔵岳コースへの分岐へ。
急斜面を登り始めたら、イワウチワはすぐ現れた。
しかし花は御覧の通り。
厳密にはオオイワウチワ
イワウチワの最盛期は終わっていた(一週間くらい前が見頃だったのか)。
中腹の貴景勝杉
それでも貴景勝杉(今回、私が勝手に命名)のある辺りまで登ったら、
やや新鮮なものがあったが、既に群生地は抜けており、パラパラとしか咲いてなかった。
今回はイワウチワの開花調査が目的なのだから、それを見定めたら、おとなしく下山すればよかった。
しかし、この日は稀に見る晴天。アイゼンも一応、担いでいたので、更に上を目指すことにした。
中腹のブナ林より上は雪がびっしり。
雪は締まって歩きやすかったが、日陰地の急斜面は滑落しそうでちょっと怖かった。
稜線に出たら、剣岳の左に鳥海山が見えた。
中腹のブナ林 宝蔵岳稜線と剣岳
宝蔵岳稜線から鳥海山。
鳥海山の左には月山も見えたが、写真には写らなかった。
月山が見えるほどの好天だったので、これは勿体ない。更なる展望を求めて、奥岳まで登ることにする。
宝蔵岳から弟子還岳と奥岳を望む。
眺めは素晴らしかったが、目の前の雪庇は怖かった。
ただし難所と言われる弟子還の岩壁はすっかり雪が取れており、安全に通過することが出来た。
弟子還岳 弟子還岳の鎖場
弟子還岳から北の方を望むと・・・。
白神山地西部の山々。白神岳、向白神岳など。
藤里駒ヶ岳と岩木山。
弟子還岳から奥岳山頂方面を望む。
雪庇に気をつけながら、ナントカ奥岳山頂に到着。
奥岳山頂
鳥居の間から男鹿半島を望む。
奥岳山頂からの展望を今少し続けてみる。
西側、太平山の連なりと秋田市方面を望む。
右手前から弟子還岳、左に寄って宝蔵岳、剣岳、鶴ヶ岳、また右に寄って中岳、前岳と連なる。
南の方は、鳥海山の他に月山、神室山、栗駒山、和賀山塊も見えたが、メリハリが無く、写真にならなかったので省略。
東側の眺め。
右に秋田駒ヶ岳。左は笊森山。
左奥に岩手山、右に乳頭山、笊森山。
北東方向。
左奥に森吉山、右奥に白子森(太平山地最高峰)。
森吉山
結局、この日は秋田を取り囲む四辺の山々はほぼ全て、更に県外の名山まで展望できた。
こんなによく見える日は珍しいと思う(と思ったが、後に7月10日、登った時はもっとよく見えた。⇒こちら)。
名残惜しいけど、そろそろ下山だ。
マルバマンサクと馬場目岳
マルバマンサク
下山はポピュラーな御手洗ルート(旭又コース)を選択。
最初は好かったのだが、七曲りの急斜面あたりで雪が腐っていてズブズブの上に、スリップが停まらない。
一気にブナ帯まで滑り落ちる。さいわい怪我はなかったが、傍目からは完全な滑落に見えたことだろう。
下りでも面倒くさがらずにアイゼンを履くべきだったと猛省。
ブナ帯上部急斜面から、男鹿半島方面を望む。
御手洗上部の綺麗なブナ林
ブナの根開き 御手洗の地蔵さん
雪は御手洗の地蔵さんの下までびっしり残っていた。
その下からあやめ坂にかけては、まだ新鮮なイワウチワが見られた。
厳密にはオオイワウチワ
オオイワウチワの蕾 ヒメシャガの芽出し(あやめ坂付近)
こちらの群生の規模は小さいが、個々のイワウチワを見るなら、これでも十分かもしれない。
宝蔵岳ルートのイワウチワ群生はいつかまたチャレンジしよう。
今回、紆余曲折はあったものの、私の平成最後の山は太平山ということになった。
国民の森から仁別までの間の渓流沿いでは春紅葉が始まっていた。
カツラの新葉が逆光で浮き上がって見えた。
以上。
本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。
太平山(1170m)はもろ地元のお山なのに夏場に行ったことがなかった。
南側、河辺町から眺めた太平山。今日登る宝蔵岳は剣岳の陰になり見えない。2019/07/16撮影。
行かなかった理由は二つほど有る。
ひとつは標高が低くて、高山植物はほとんど無さそうな雰囲気。夏場はどうしても花が多い他の高山を優先してしまう。
もうひとつの理由は、このお山、カモシカなど獣が多いせいか、夏場はヤマビルが発生し、
以前、それを知らずに入山して血が止まらなくて散々な目に遭ったことがある。
しかし有る筋から、この山の稜線にはセンジュガンピとイブキトラノオが咲くとの情報を入手した。
両方とも格別珍しい植物ではないが、秋田には少なく、特に前者は難儀な山、神室山の山頂付近を除けばまだ見たことが無かった。
後者(イブキトラノオ)は県内では真昼岳と薬師岳、県外近場では白神岳で見たきりだ。
太平山に両方があるならばそれにこしたことはない。夏場に登って確認してみようと思った。
ヤマビルに対しては、忌避剤入りのスプレーもスパッツも準備した。
晴れが続いた後は出現も少ないだろうと、一週間近く晴れが続いている(この年は空梅雨)7月10日に決行。
今回の非合法マップ
旭又からの歩き初めは杉の植林地がしばらく続く。
少しでも早く稜線をめざそうと、宝蔵岳コースを選択。ここはいきなりきつい登りから始まる。
杉林の小道 宝蔵岳コース、最初の急登。
宝蔵岳コースの登りは最初少ししんどいが、登るにつれて二箇所ほど緩いところがある。
前半は天然スギ、後半はブナ林が延々と続くので、花は少なく、有るのは樹木ばかり。
毎度おなじみの貴景勝杉。
スギの怪木の次はブナの原生林。
ブナ林 ツルアリドオシの花
稜線に出て、弟子還岳が見えるようになると、
弟子還岳
何か珍しい花でも咲いてないかと期待したが、今咲いていたのは、
弟子還岳の鎖場 高嶺の花?、コメススキ
じみ~なコメススキ程度だった。
他に見たのはヤマブキショウマ、ミヤマカラマツ、ミヤマトウキ、終わり間近のウラジロヨウラク、アカモノなど。
弟子還岳の岩場を越えた時点で花は特筆すべきものはなかったが、稜線からの展望は素晴らしかった。
鳥海山は春来た時も見えた(記録はこちら)が、今回はそれ以上。
左側には県境を越えて月山も見えたし、秋田の南東端にある栗駒山も。
剣岳、中岳などの太平山主稜線と左奥に鳥海山。
鳥海山、左奥に月山。
弟子還岳から奥岳、旭岳(左奥)を望む。
弟子還岳と奥岳の間の鞍部を過ぎようとしたら、
笹薮の中に見慣れぬ白い花が咲いていた。それがセンジュガンピだった。
センジュガンピ
センジュガンピ
更に近くにはイブキトラノオも有った。
イブキトラノオ 山頂南面のイブキトラノオ。手前の枯れ花はニッコウキスゲ。
奥岳山頂に到着。
奥岳山頂から南側を見下ろすと、急斜面にちらほらとオレンジの花が見えた。
南側の雪崩?斜面
急斜面を駆け下り、確認したところ、それは終わり間近のニッコウキスゲだった。
こちらはタカネアオヤギソウかと思ったが、
ニッコウキスゲ 暗色の花ばかりなので、タカネシュロソウか。
今回、この急斜面に有った花を列記すると、
ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、タカネシュロソウ(タカネアオヤギソウ)、オオバギボウシ、カラマツソウ、クガイソウ、ヒトツバヨモギ、クロバナヒキオコシ、オオイタドリ、アカモノ、タニウツギなど。
それらにセンジュガンピとイブキトラノオも少し混じっていた。
この斜面は太平山には珍しく雪崩斜面のようで、高木が育たず、低木やササ、広葉草本に覆われている。
ところが、旭又から御手洗を経て登頂するメインルート沿いにはこういった斜面は皆無。
ほとんどがブナをはじめとした高木やササに覆いつくされている。
太平山に高山植物が少ないと言われる理由がわかった。
折角、山頂まで来たのだから、山頂からの眺めを少し。
遠く栗駒山
遠く岩手山と秋田駒ヶ岳
下りは御手洗を経由して旭又へ。
こちらの樹林帯に花は何も無く、森の緑に染まりそうになったが、たまにはこんな山歩きもいいかと・・・。
ハリブキの実。
赤くなっていたのはこの株ばかりだった。 御手洗の地蔵様
あやめ坂で見つけた「ぶじかえる」
なお恐れていたヤマビルに今回は全く吸いつかれなかった。えがった。えがった。
以上。
この日は朝から素晴らしい晴天だったが、何故か昼近くなってから急に太平山(奥岳)に行くことになった。
本来ならば秋田県内でももっと遠方、しかも花の多い山に行きたかったのだが、いかんせんスタートが遅すぎた。
太平山には最近では5月24日に参拝している(記録はこちら)が、この時はヒメシャガが開花する前だった。
ヒメシャガは秋田県内では他の低山にも有るが、太平山に多く、奥岳の登り口付近には群生している。
そのため、「あやめ坂」の名前もついているほど(ヒメシャガは一応アヤメ科・・・)。
今日だったらまだ咲いているような気がする。というわけで急な訪問となった。
旭又駐車場から歩き出すと、しばらくスギの植林地が続く。
御滝神社を過ぎ、スギが天然ものに変わると、あやめ坂の急坂が始まるが、
残念。ヒメシャガの花はほとんどが終わっていた。
あやめ坂の看板
それでももっと上の方に行ったら、咲き残ってるような気がして坂を登り続ける。
そしたら
(^^♪有った。有った。
けっこうな規模の群生だった。近くには白花も有った。
今日は出発時間も遅かったので、
奥岳山頂には行かない。それでも御手洗までは行ってみようと更に歩を進める。
いつもひと休みする場所の天然スギ ブナの木
すっかり深緑になったブナ林。
今の時期、花は極めて少なかった。
ヤマツツジ
ウラジロヨウラク
ユキザサ ヤグルマソウ
御手洗の地蔵さん 帰り道のまっすぐ杉の参道
地蔵さんに手を合わせ、今日は下山することにした。
友人の話では、ヒメシャガは先週末、凄かった。あやめ坂から先はヒメシャガ・ロードだったとのこと。
ヒメシャガは六月のアタマが勝負なんだと分かった。
以上。
(本頁は「567退散祈願、太平山三吉神社奥宮参拝。1」の続きです。)
三吉神社奥宮からの眺めは素晴らしい。
ただし今日は晴天なのに視程はイマイチ。鳥海山や栗駒山、岩手山など遠方の山はほとんど見えなかった。
それ以外の眺めを報告してみる。
西側、太平山主稜線と秋田市の眺め。
弟子還をクローズアップで。
南側斜面のブナ林
東側の御衣(みそ)森。
東側、秋田駒ヶ岳
太平山地の最高峰・白子森(1179m)
白子森と森吉山(左奥)
森吉山
北側、馬場目岳。
帰りは旭又コースを辿る。下山途中に見た花たち。
ヒメイチゲ ミヤマカタバミ
御手洗まで下る途中のブナ林はとてもいい林だ。
秋の紅葉時期も好いが新緑の頃も。
御手洗の地蔵さん。
地蔵さんの辺りで見かけた花たち。
エンレイソウ
オクエゾサイシン オオイワカガミ
オオイワカガミ
こちらでもムラサキヤシオ。
あやめ坂のあたりではヒメシャガを期待したのだが、残念、まだ蕾だった。
あやめ坂の「ぶじかえる」 ヒメシャガ(蕾)
かわりに今回はイチヨウランを見つけた。
弟子還沢の石橋を渡ったら、沢筋の道端にタチカメバソウを見つけた。
その先は杉の植林地を歩くようになるが、ここの道は何故か異常に真っすぐだ。
林の下にはオシダが多い。
格別意味は無いが、上から中を覗いてみる。
以上。