認知症高齢者は、2015年時点で約500万人いるといわれている。そして、2025年には約700万人に増加すると推計されているので、高齢者の5人に1人は認知症となる勘定である。
また、日銀が昨年9月に発表した統計によると、家計の金融資産残高は同年6月末時点で、1832兆円と過去最高を更新したそうだ。日本の現金の残高は2016年末に102.4兆円と過去最高に達し、その内43.2兆円がタンス預金だとみている識者もいる。
年齢階層別にみると高齢者ほど貯蓄額が多い。高齢者全体が保有する貯蓄額に認知症患者の発症率を掛け合わせると、認知症高齢者の貯蓄総額は約50兆円と試算され、2025年には約70兆円に増える見込みだそうだ。
認知症高齢者の7割が在宅で生活していて、病院や介護施設に入院・入所している者よりも圧倒的に多いとのことである。このような時代背景もあるのだろう。昨年1年間に全国の警察が認知した特殊詐欺の被害件数は、1.8万件で7年連続の増加となったそうだ。現在の統計の取り方になった2010年以降で最多らしい。
特殊詐欺とは、オレオレ詐欺、振り込め詐欺、架空請求、融資詐欺、還付金詐欺、金融商品等取引名目の詐欺、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺、異性との交際あっせん名目の詐欺などの詐欺の総称だ。
オレオレ詐欺では、被害者方の自宅電話に息子と名乗る男から「オレオレだけれど、喉の調子が悪い、病院に来たのだが待合室で鞄を無くした。至急金を振り込んでくれ」との連絡があり、思わず振り込んでしまうは単純な方で、最近では手口が複雑化している。例えば、再度、男から「鞄の中には会社の通帳なども入っていた、取引の関係で至急現金が必要だから会社の人間に渡して欲しい」などとの連絡が入る等、複数の人間が役割分担して騙しにかかる。
冷静に考えればおかしな点はすぐに気が付くはずであるが、人間は身内の不幸となると慌てるようで、高齢者となると頭の回転も鈍っているだろう、すぐに騙される。すぐに現金が用意できるのも不思議であるが、タンス預金している高齢者が如何に多いか物語っている。
オレオレ詐欺のように手口が分かっている詐欺に対しては対策がなされ、被害額は約390.3億円で、3年連続の減少のようだが、新たな手口はどんどん広がっている。
例えば、妻に先立たれた資産家の高齢男性を”かもねぎ”とする「後妻業」だ。寂しさから結婚相談所に登録すると、そこで待っているのはプロ女性たちだ。長い人生の経験もあり、仕事を通じて見識も持っているはずの高齢男性が、なぜかいとも簡単に騙されるそうだ。
京都や大阪を舞台にした高齢男性4人への殺人および強盗殺人未遂に問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判が、6月26日から始まった。被告は、高齢男性を次々とだまし、億単位の遺産を相続した疑いがある。
最近発生した紀州のドンファン事件は、77歳の高齢者が50歳年下の女性と結婚したが、覚せい剤中毒で変死した事件である。犯人はすぐに捕まると思っていたが、警察は手こずっているようだ。
この事件の真相はまだ解明されておらず、高齢者を狙った詐欺事件とは断定できないが、金庫にあった筈の何億円の現金が行方不明だそうで、小説が書けそうな興味深い事件だ。
資産を有する高齢者、独居生活の高齢者、寂しがり屋の高齢者、色ぼけ老人の高齢者、認知症の気のある高齢者は、騙す方にとっては ”ねぎ”を背負った”かも”であろう。今後、どんどん増えるに違いない。2018.07.11(犬賀 大好-458)
また、日銀が昨年9月に発表した統計によると、家計の金融資産残高は同年6月末時点で、1832兆円と過去最高を更新したそうだ。日本の現金の残高は2016年末に102.4兆円と過去最高に達し、その内43.2兆円がタンス預金だとみている識者もいる。
年齢階層別にみると高齢者ほど貯蓄額が多い。高齢者全体が保有する貯蓄額に認知症患者の発症率を掛け合わせると、認知症高齢者の貯蓄総額は約50兆円と試算され、2025年には約70兆円に増える見込みだそうだ。
認知症高齢者の7割が在宅で生活していて、病院や介護施設に入院・入所している者よりも圧倒的に多いとのことである。このような時代背景もあるのだろう。昨年1年間に全国の警察が認知した特殊詐欺の被害件数は、1.8万件で7年連続の増加となったそうだ。現在の統計の取り方になった2010年以降で最多らしい。
特殊詐欺とは、オレオレ詐欺、振り込め詐欺、架空請求、融資詐欺、還付金詐欺、金融商品等取引名目の詐欺、ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺、異性との交際あっせん名目の詐欺などの詐欺の総称だ。
オレオレ詐欺では、被害者方の自宅電話に息子と名乗る男から「オレオレだけれど、喉の調子が悪い、病院に来たのだが待合室で鞄を無くした。至急金を振り込んでくれ」との連絡があり、思わず振り込んでしまうは単純な方で、最近では手口が複雑化している。例えば、再度、男から「鞄の中には会社の通帳なども入っていた、取引の関係で至急現金が必要だから会社の人間に渡して欲しい」などとの連絡が入る等、複数の人間が役割分担して騙しにかかる。
冷静に考えればおかしな点はすぐに気が付くはずであるが、人間は身内の不幸となると慌てるようで、高齢者となると頭の回転も鈍っているだろう、すぐに騙される。すぐに現金が用意できるのも不思議であるが、タンス預金している高齢者が如何に多いか物語っている。
オレオレ詐欺のように手口が分かっている詐欺に対しては対策がなされ、被害額は約390.3億円で、3年連続の減少のようだが、新たな手口はどんどん広がっている。
例えば、妻に先立たれた資産家の高齢男性を”かもねぎ”とする「後妻業」だ。寂しさから結婚相談所に登録すると、そこで待っているのはプロ女性たちだ。長い人生の経験もあり、仕事を通じて見識も持っているはずの高齢男性が、なぜかいとも簡単に騙されるそうだ。
京都や大阪を舞台にした高齢男性4人への殺人および強盗殺人未遂に問われた筧千佐子被告(70)の裁判員裁判が、6月26日から始まった。被告は、高齢男性を次々とだまし、億単位の遺産を相続した疑いがある。
最近発生した紀州のドンファン事件は、77歳の高齢者が50歳年下の女性と結婚したが、覚せい剤中毒で変死した事件である。犯人はすぐに捕まると思っていたが、警察は手こずっているようだ。
この事件の真相はまだ解明されておらず、高齢者を狙った詐欺事件とは断定できないが、金庫にあった筈の何億円の現金が行方不明だそうで、小説が書けそうな興味深い事件だ。
資産を有する高齢者、独居生活の高齢者、寂しがり屋の高齢者、色ぼけ老人の高齢者、認知症の気のある高齢者は、騙す方にとっては ”ねぎ”を背負った”かも”であろう。今後、どんどん増えるに違いない。2018.07.11(犬賀 大好-458)