日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルスの特異な性質

2020年08月05日 09時15分44秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスは同じコロナウイルス仲間のSARSやMARSと病状では非常に似ているが、病気の発症前から感染力がある点で大いに異なるらしいことが分かってきた。すなわち、新型コロナウイルスは寄生した細胞に害を与えることなく増殖する能力があるらしいのだ。

 SARSやMARS、あるいはインフルエンザの感染者は病状が出てからウイルスを体外にばらまくので、病状が出てから隔離し治療に当たれば拡散することが少なかったが、新型コロナウイルスではそれが出来ないのが、現在世界中に蔓延しているのが主原因だろう。

 ウイルスは単独では増殖できず、動物の細胞に寄生して初めて増殖できることは良く知られている。そして、その増殖中に細胞に何らかの影響を与えてしまうのが病気の原因だ。新型コロナウイルスの場合、感染しても無症状や軽症者が多いと言う事実は、増殖中に細胞に与える影響が無いのか、少ないのだ。元気のある若者にはその影響が少なく、高齢者や持病のある者には影響が大きいのは、細胞に与える影響の違いであろう。

 新型コロナウイルスの特性は未だ未知の部分が多く免疫学的な状況証拠のみで、学術的に証明はされておらず今後の研究を待たなくてはならない。兎も角免疫力、基礎体力や栄養状態が関係していることは間違いないだろうが、最近では男女の差、血液型の差、人種の差等まで示唆されている。

 中国疾病対策センターによると、男女のコロナ感染者数はほぼ同数だが、死者の数は男性が女性を上回っているのだそうだ。MERSに感染した男性は約32パーセントが死亡、比べて女性の場合は25.8パーセントで、1918年にインフルエンザが大流行した際も、若年成人男性の方が同年代の女性よりも死亡率が高かったようで、性差は新型コロナウイルス特有では無さそうだ。

 米ジョンズ・ホプキンス大学のウイルス感染症研究者も、新型コロナウイルスでは、男性であることは高齢であることと同じくらいリスクが高いと話しているそうだ。男性の方が女性より、ウイルス疾患に弱いことは確からしいが、基礎体力が関係していないとは不思議だ。

 新型コロナウイルスの死亡率に関し、ヨーロッパ系の人々より日本を含む東アジア系の人々が極端に低い事実があり、その理由がよく分からずファクターXと呼ばれているが、生活習慣ばかりでなく恐らく血液型や、人種の差も関係しているのであろうか。

 さて、東京に限らず日本中の新規感染者が激増しているが、8月1日現在重症者の数が予想ほど増えていないことがせめてもの救いである。しかし、激増の中身がこれまで若者が主であったが、次第に高年齢層に移り、高齢者に広がる気配があり、それに伴い重症患者が増えることが確実との識者の声も聞かれる。

 一方、新型コロナウイルスが弱毒化してきているという話も出てきている。イタリアの医者が、少し前までは重症肺炎の患者が多かったのに対して、今では軽症であることが多いと言っており、3月から4月あたりのウイルスと今のウイルスでは明らかに変異しているという実感があるのだそうだ。

 以前ウイルスの一般的は特性として流行の拡大と共に弱毒化する傾向にあると何かの資料で読んだ記憶がある。変異の為か治療法の進歩か人間の対応力の変化か分からないが、人間にとって都合の良い方向への変化であればワクチンの開発を待たずに克服できるかも知れない。
2020.08.05(犬賀 大好-623)


コメントを投稿