日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

”ポツンと一軒家”に自動車は必須アイテム

2019年10月26日 09時11分08秒 | 日々雑感
 日曜日夜、テレビ朝日系で放映される番組、”ポツンと一軒家”は日本各地の人里離れた場所に、ポツンと存在する一軒家を訪ね、一軒家の実態を調査しながら、辺鄙な場所で生活する人物の人生にも迫る面白い人気番組である。

 ただ人里離れた一軒家と言っても、近くまでは砂利道やコンクリート製自動車道があり、生活には自動車は必須アイテムとなっている。またそこを訪ねるテレビ局の人は道路の狭さや急こう配に難儀しているが、そこに住む多くの高齢者は同じ山道を事故無く運転し日常生活を送っている。

 現代機械文明が作り出した自動車は実に便利な道具だ。人間の足代わりになり生活範囲を広げている。しかし、一方、都会近くに住む高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違い、高速道路の逆走など、車の運転事故がテレビにしばしば登場するが、これが同じ日本の中で同時に起こっているかと思うと不思議な気がする。

 もっとも、人里離れた山奥に住む高齢者の数は、都会近くに住む高齢者より圧倒的に少なく、確率的に見て前者の交通事故はめったに起こらないと言うことだけかも知れないが、生活環境が生き様に反映されることは間違いない。

 すなわち、高齢者の運転事故は運動機能の劣化や記憶力の劣化等が原因であろうが、これらの機能の劣化の程度は生活環境によって大いに左右されるのだ。高齢者の車の運転は、見る、聞く、判断する、操作するなど、脳のさまざまな機能を使い認知機能や運動機能の低下を防ぐのに役立つのだ。

 都会近くの高齢者は車を運転すれば単に生活が便利になるに比べて、山奥に住む高齢者は車の運転をしなければ生活が出来ず、車の運転に対する真剣さが違うのだ。この真剣さが、高齢者の無事故運転を支えていると言うことが出来るのかも知れない。番組に登場する高齢者が何れも年齢以上に若々しく見えるのもこの為であろう。

 さて、警視庁も高齢者の車の運転事故を減らすために様々な工夫を検討している。手っ取り早い方法は免許証の自主返納であるが、山奥の高齢者にはまずあり得ない。

 交通便利な地域に住む人が、免許を返納した直後から引きこもりのようになってしまい、認知症を発症したり、症状が進んでしまったりするケースも少なくないそうで、事故が減っても認知症患者が増えたのでは痛しかゆしだ。

 自動車事故を減らす抜本的な対策は自動車が無くても済む社会の構築や自動運転車の開発だ。それは人間を緊張感から解放するとの美辞麗句にも繋がるが、人間を堕落させる方向だ。認知症の対策の観点からは、ポツンと一軒家の緊張感に満ちた生活の方が絶対役に立つ。2019.10.26(犬賀 大好-543)


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