日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

我々の足下のマントルは常に動いている

2017年12月27日 10時46分39秒 | 日々雑感
 我々が暮らす地球は半径約6400kmであり、我々が接するのは表面の厚さ5~70kmの地殻部分である。更にその下には深さ約2900kmまでマントルと呼ばれる岩盤層があり、それは地球の主要部分であり、地球体積の83%を占める。ほとんどは固体よりなるが、ごく一部分は部分的に溶融状態にあるそうだ。

 マントルの上部、すなわち地表に近い部分はかんらん岩と呼ばれるマグマがゆっくり固まった岩石が主成分だそうだが、中心部に向かって、その組成がどのように変化していくのかの定説は無いそうで、未知の世界だ。

 マントルは固体でありながら長い時間をかけてゆっくり動いているとのことだ。これは熱対流に起因しているらしいが、地球内部の暑い塊が地表に向かって移動すると同時に、地表近くの冷めた塊が中心部に戻っていくのであろう。地球誕生以来少しも休むことなく、この動きは続いていると思うと、地球は生きていると感ずる。

 このマントルの動きが、地球磁場の変化をもたらしたり、大陸を移動させる原因となっていると言うことであるので、何とも壮大な自然現象であろう。

 さて、東京の近郊、千葉県市原市の養老川沿い、約77万年前に地球の磁場が最後に逆転したことを証明する地層、チバニアンがある。地球46億年の歴史の中で磁場の逆転が何度か起こっており、77万年前の最後の磁場逆転の痕跡がこの地層にはっきりと残っているのだそうだ。この層がチバニアンと名付けられ、一躍有名となり、最近見物客も多く訪れているとのことだ。

 地球は1つの大きな磁石であり、方位磁石が常に北を指す基になっている。オーロラもその効果で観光資源として役立っている他、太陽から届く太陽風や宇宙から降り注ぐ宇宙線を跳ね返し、生命の保護に役立っていることは周知の事実である。

 地球の磁場が存在するメカニズムにはまだ謎とされている部分が多く残っているが、最新の研究では地球の内部を対流するマントルに起因するという説が有力視されている。

 鉄の棒に導線を巻き、そこに電流を流すと棒は磁石となることは良く知られている。マントルの動きと電流の関係はよく分からないが、マントルの動きが電流の役目をするのか、マントルの動きに伴って電流が生ずるのであろう。

 さて現在この地磁気は徐々に弱まる傾向を見せていることが、長年の研究が明らかにしている。いづれゼロになるだろうが、このタイミングが地磁気逆転のタイミングになるという見方が強い。地球の磁場がゼロになった場合、上空からから降り注ぐ宇宙線が生物にどのような影響を与えるか懸念されるとのことだ。渡り鳥は地磁気を感じて行くべき方向を決めているとのことだが、地磁気は一瞬にして変わらないであろうから、鳥たちも環境の変化にうまく順応するかも知れない。

 宇宙線が生物のDNAにどう影響するか心配されるが、過去何回かあった磁場逆転の際、生物の生態にどのような変化があったか、人間の好奇心が次第に明らかにするだろう。

 マントルの地表近くの部分は地殻、すなわちプレートの下部と接する。従って、マントルの動きに伴ってプレートが一定方向にひきずられるため大陸の移動の原因となる。これがプレートテクトニクスの理論だ。またこの動きが地震や山脈、海溝形成の原因となる。世界一高い山、エベレストの山肌の縞模様が、その昔海底にあった証だと説明されても、なかなか実感できない。

 地球の46億年の歴史はまだ謎だらけである。マントルの動きは熱力学の当然の帰結と説明されても、エベレスト以上に実感を伴わない。

 さて人類が文明の名の下に地球環境を破壊し始めたのは、産業革命後としても、地球の歴史から見ればほんの一瞬である。地球温暖化の進行もマントルの動きから見れば、瞬時の出来事に違いない。

 地磁気の変化が人類にどのように影響するか心配ではあるが、興味津々でもある。しかし、それが判明するまで人類が生き延びられるのか、その方が心配である。2017.12.27(犬賀 大好-402)

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