日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本の株価の高騰はマネーゲームのなせる業か

2023年05月27日 10時12分08秒 | 日々雑感
 東京株式市場では株価の上昇が続いている。日経平均株価は5月17日に3万円台を回復し、同月19日には所謂バブル景気の時期の1990年8月以来、32年9か月ぶりの高値をつけた。株価はなぜ上昇しているのか。様々な要因が指摘されているが、異次元金融緩和で市中にお金が溢れている背景があり、日銀の植田新総裁も金融緩和を継続する姿勢を示していることも大きな要因であろう。また、異常な円安の効果で業績を伸ばす企業が相次いだことも考えられるが、コロナが終息し日本が好景気に向かう期待から株価が上昇している訳では無さそうだ。

 目立っているのは海外の投資家の動きだ。東京株式市場では、3月下旬以降、5月の第2週まで海外の投資家が株式を買った金額が売った金額を7週連続で上回っているそうで、4月、海外の投資家が日本国債を買った額は、売った額を1兆9000億円余り上回ったとのことだ。

 アメリカはこれまで非常に高いインフレが続いたので、アメリカの中央銀行が利上げを進め、その結果として経済が冷え込み、シリコンバレーバンク等の銀行の経営破綻等の金融システムの不安が台頭してきている。また、債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議が難航していることから今月24日のニューヨーク株式市場は売り注文が増え、ダウ平均株価は4営業日連続で値下がった。また2023年の後半には、アメリカ経済は景気後退し、GDPがマイナス成長に陥るという見方が広まってきている。

 アメリカの株式市場で株価が低迷する中でも日本株の上昇が続いていることが海外投資家が日本に投資する最大の理由であろう。日本の株価上昇が異次元金融緩和の続行の為だけではなく、海外投資家が買う為であるなら、正にこれがマネーゲームのなせる業なのであろう。

 マネーゲームとは、一般的には株取引や先物取引、外国為替証拠金取引などにおいて、ギャンブル性が高い中で高利益を得ることを目的として、投機的に資金を投じることとの話だ。従って、現在株価が高いと言って喜んでいても、僅かな状況変化で一変するかもしれない。マネーゲームの怖ろしいところだ。

 また、経済が完全にマネーゲームの論理で支配されるようになると、その長期的な発展の方向性が失われることが問題だ。このことは非常に重大な意味を持ち、環境問題、特に地球環境問題の解決には、世界全体としての長期的な経済の構造改革が必要であり、一貫した計画性が不可欠だからである。

 景気対策と環境政策とは矛盾するものではなく、景気対策として環境保全のための投資を行うことは充分に可能である。しかし、政策がマネーゲームに支配されるようでは、一貫性のある有効な環境政策は不可能である。
2023.05.27(犬賀 大好ー918)



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