新型コロナウイルス感染拡大防止の為、在宅勤務やサテライトオッフィス勤務のリモートワークが増えたとの事であったが、最近の状況はどうであろうか。現在コロナの第7波の最中であるが、2年以上になるコロナ禍で元の勤務体系に戻している企業も結構多いようだ。
今年6月、NTTは働き方に関する制度を見直し、勤務場所は自宅を基本とし、出社する場合は出張扱いにする等の新たなルールを導入すると発表した。全国どこでも住むことができ、転勤や単身赴任を伴わない働き方を拡大するとして、ルールが適用された従業員は全国どこでも住むことが可能で、交通費は一律の上限を設けず、航空機を使った出社も認めるとの画期的なルールだ。
このルールが全従業員一律に適応されるか分からないが、NTTの主力の業務は情報であるので、パソコンとインターネット回線さえどこでも仕事ができ出社は必要ないのかも知れない。大企業でなくてもWeb作成等パソコンを使用した仕事であれば、リモートワークが可能で、猛暑の都会を離れ地方移住に踏ん切りをつける人もいるだろう。
一方、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者は5月31日夜に従業員宛てにメールを送り、週最低40時間の出社を要請し、従わなければ退職と見なすとし、ほぼ強制的に職場復帰を義務付けた。理由は、リモートワークではエキサイティングな製品は生み出せないからと述べている。
ルーチンワーク的な仕事であればリモートワークは可能であろうが、新しい仕事であれば個人の発想には限界があり、大勢での討論が必要となろう。パソコンでの多人数のテレビ会議が可能になったと言え、直接対面と画面越し対面では雲泥の差がある。今後は2極化の方向にあろうか。
また、リモートワークでなくても、過密都市の住みにくさを嫌い、自然豊かな環境で暮らしたいと、地方移住を希望する人もいるだろう。高齢者の退職後の過ごし方として、地方に移住し自宅近くで畑作業等を楽しみとする人は、病気の際の心配がある程度で大きな問題無く可能であろう。
しかし若者の場合、生活の糧を心配しなくてはならない。地域の活性化の為そんな移住者の受け入れに積極的な自治体が全国には沢山あり、仕事から住まい等まで多方面から支援している。テレビでもそんな移住者を取り上げ応援しているが、良いことばかりで悪いことに関しあまり取り上げていないのには心配になる。例えリモートワークの仕事があっても、農村であれば近所付き合いは欠かせない。隣近所で力を合わせて、農道の草刈り等の仕事はいくらでもある。
過疎化や人口集中による諸問題の解決の為、人口密度の平均化を図りたいが、都会にはそれなりの便利さがあり、地方移住が本物になるかは疑問だ。2022.08.27(犬賀 大好ー841)