日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国武漢の現在の賑わいを世界は信ずるか

2020年08月26日 08時42分02秒 | 日々雑感
 中国武漢で週末の夜に行われているらしいプールでのイベントの放映があった。入場者数を制限して開催されているとの説明であったが、それでも立錐の余地も無い混雑を伺わせ、武漢がすっかりコロナ前の賑わいを取り戻しているとの内容であった。

 今年の始め新型コロナウイルスの感染が発覚した武漢では、都市封鎖や市民全員のPCR検査を行って感染を抑え込み、その後、新たな感染者を出していないとされている。これも中国共産党の成果を誇る宣伝の一つであろうが、常にやらせの疑惑が付きまとい、どこまで本当か首を傾げざるを得ない。

 4月8日、2カ月半にわたるロックダウン解除された武漢市内では外出制限はなくなり、公共交通や職場は復旧し、市民は平穏な日常生活を取り戻しつつあるとのことであった。しかし5月9日には1人、10日には新たに5人の合わせて6人の新規感染が確認され、武漢市は10日以内に全市民にPCR検査をすると決定した。

 6月2日地元当局は、5月14日から6月1日までに、およそ990万人の市民にウイルス検査を実施し、無症状の感染者が300人いたが、発熱などの症状のある感染者は1人も確認されなかったと報告した。

 そもそも今回の検査を実施する切っ掛けが、新規感染者が発見されたことであったが、症状があったからこそ見つかったのであろう。それ以降症状の出ている感染者が皆無とは到底信じられない。ここにも中国の報道の作為が感じられるが、逆にもっと筋の通った報道が出来ないものかと不思議に思う。

 一方、1000万人近い市民を検査した迅速さと費用は見習いたいものだ。検査に2週間要したとして、1日当たりの検査人数は、70万人以上になる。検査にあたっては、複数の人の検体をまとめて検査する手法等も使って効率化を図り、要した費用は日本円で130億円余りだったとされており、計算上1300円/件位だ。

 日本ではPCR検査の費用は1件当たり3~5万円との報道があり、共産党一党独裁政権ならではの感がするが、一桁過小評価したとしても見習うべき点はある。対処の仕方を世界も見習えるように詳細に報道すれば、少しは中国政府の正しさも理解されるだろうが。

 経済再開による感染者数のぶり返しは東京でも起こっており、武漢での対応の仕方を本来であれば参考にすべきであろう。しかし武漢での日々の暮らしを日記に綴った作家、方方さんの日記が売国奴とバッシングされていること自体に中国政府のすべての発表内容にかなりの脚色があることを伺わせる。

 1997年にイギリスより中国に返還された香港は、香港を介して中国本土の民主化が図れるのではないかと期待された。確かに、経済が発展しグローバル化された部分もあるが、香港の自由な空気が全国に広がり始めていることに中国政府が慌て出したに違いない。13億人を纏めるために強圧的言論統制が手っ取り早いことは分かるが、中国共産党が常に絶対正しいと言う手法がいつまで通用するか分からない。2020.08.26(犬賀 大好-629)