人に感染するコロナウイルスは、現在7種類見つかっており、その中の一つが現在世界中を騒がしている新型コロナウイルスなのだそうだ。 7種類のうち4種類のウイルスは、一般の風邪の原因の10~15%を占めており多くは軽症で済むそうだ。
さて残りの3種類のウイルスは、2002年に発生したSARSや2012年以降発生しているMERSと今回のウイルスであり、重症化する可能性が高く、質が悪い。
SARSウイルスは2002年11月に、中国南部の広東省で肺炎の患者が報告されたのに端を発し、東アジアやカナダを中心に感染拡大し、2003年7月に終息宣言が出された。このウイルスはコウモリなどの動物が媒介する可能性も指摘されているが、今もって確定的な結論は出ておらず、また有効な治療法もいまだ確立されていないとのことだ。
MERSウイルスは、2012年9月にサウジアラビアで初めて患者が報告されて以降、中東諸国や、フランスなどの欧州から患者が断続的に報告されており、現在も終息宣言が出されていないようだ。このウイルスでも有効性が確実とされる治療法はいまだ確立されていないとの話だ。
野生動物の中で生存していたコロナウイルスが突然異変により人間にも感染するようになったようであるが、4月14日の報道によれば、更なる突然異変により更に感染力が強まっているかも知れないとのことだ。本当であれば対処法が一層困難になる。
さてSARSやMERSウイルスで有効な治療法が無いのに何故、現在沈静化しているのであろうか。コロナウイルスは人間に乗り移ると、そこで存亡をかけて人間の免疫力と戦う。ウイルスが勝てば人間を死亡させるが、同時に自らの生存の場を失い死を招く。一方人間の免疫力に負けるとやはり死となる。従ってウイルスが仲間を増やし種を保存するためには人間の免疫力と戦いつつ、人から人へと感染を繰り返えすしかない。
従って、抜本的な治療法が無い現在、人から人へ感染させないことがコロナウイルスに勝つための唯一の方法であり、このためには人間同士の接触を避けることしかなく、緊急事態宣言の骨子となっているのだ。
さて、コロナウイルスを沈静化させるもう一つの重要な要件は一度感染すると免疫力が付くことである。大半の人間に免疫力が付けばウイルスは自然に消滅する。しかし、ここで免疫力の持続性が問題となるが、この点よく分かっていないようだ。
大阪府は、医療機関を2月1日に退院した女性が、PCR検査で再び陽性になったと2月26日に発表したことがあったが、その後の経緯は不明である。さてつい先日韓国は4月13日、新型コロナウイルスで陽性と確定後、陰性となり隔離を解除された患者約8000人のうち、約110人が再び陽性反応を示したと発表した。この種の報道は中国にもある。
再陽性化の原因が、検査の信頼性の低さか、検査手順の不備か、残存したウイルスが患者の体内に留まっていたのか、あるいはウイルスの突然変異か、調査中とのことであるが、兎も角免疫力が長時間持続しないとなると、蔓延は果てしなく広がる。2020.04.18(犬賀 大好-592)